第29話 急発展
それから僕は城で一泊した。
レンティは、結局話を一緒に聞けなくて、少し落ち込んでいたみたいだけど、偉い人が決めたことだし仕方ないと切り替えていた。
城に泊まった後、シンシアに別れを言って、僕たちはハクシュトアに帰還した。
帰還の最中、セルフの成長魔法を何種類か使ってみた。
まずリミットアップ系の魔法を何度か使って、能力アップの魔法をかけてみる。
あんまりいきなりやりすぎると、変化に戸惑うような気がしたので、少しだけ使用してみた。
使われただけでは、正直自分がどうなったかは分からない。
身体能力が上がったことで、体は軽くなった気がした。
リミットアップ系の魔法は、どれも300回くらいは使える。
リミットアップは一度使うと平均で10くらい上がる。
自分自身にサーチをする魔法はなかったみたいなので、自分のステータスは不明だけど、仮に全部ゼロだったとしても(そんなことないだろうけど)3000にはなる。
さらに、限界値と現在値を同時に上げる魔法もある。
これはそれぞれ約100回ほど使用可能だ。
限界値にして4000になるだろう。
それぞれのステータスの現数値を上げる魔法は、リミットアップより使用回数が多いので、限界まで数値を上げることは余裕だろう。
4000ってちょっと破格の数値である。
かなり優秀なファナシアでさえ、150くらいが限界。
そんなステータスになったら、どうなるのか、現状では想像すらつかない。
ここまで数値が高いとステータスだけを上げるだけ強くなれると思うけど、それに付け加えて、スキルもアップできる。
通常のスキルアップは約千回使用可能だ。
オールスキルアップは約百五十回使用できる。
スキルは50くらいあれば、結構いい数値。
ステータスの数値を全部4000にしていれば、恐らく一度の魔法で上がるレベルも高くなるだろう。
オールスキルアップを150回も使ったら、3000くらいにはなっているのではないか。
スキルアップでは元の技能を習得していないと、上がらない。
ただLv1の技能習得は、別に難しい話ではない。
剣術なら剣を持って一回でも振れば習得できるし、弓術は一回でも弓を使えば習得可能だ。
効率良くするために、色んな技能を覚えてからスキルアップは使った方が良いかも。
それに付け加え、魔法も多く使用可能になる。
うーん、これ冷静に考えたら、僕、化物になっちゃうのでは?
シンシアが最初秘密にした理由が分かった気がする。
ここまでとんでもない力を手に入れるのは、逆に抵抗を感じるけど、帝国を倒すためやらなければいけないことだ。
とりあえずいきなり4000なんて数値に上げると、制御不能になりそうで怖いので、徐々に上げてならして行くことにした。
〇
ハクシュトアに帰還した後、町の発展をどんどん進めた。
自分の能力値アップだけに、気を取られてはいけない。
これから、戦がこの国の中で起きる。
それに負けることはあってはならない。
僕一人がいくら強くなろうと、やはり戦は一人ではできない。
どんどんハクシュトアに人を増やしていって、そしてそれと同時に兵を増やしていかないと。
戦がいつになるかは、現時点では不明だ。
シンシアも明確な時期までは、まだ完全に決めていないようだ。
とにかくいつ戦が起こってもいいように、準備を完璧にやっておかないと……!
今回、新しい成長魔法を使えるようになった。
特にグレードスキルアップの習得は大きい。
使える数は300回だけど、一回で上がる量が大きいので、前のスキルアップと同じくらい技能レベルを上げることが出来る。
そうして自分の能力を高めつつ、ハクシュトアの発展にも全力を尽くした。
――半年ほど戦は起こらずに時間が流れた。
ハクシュトアは人口が十倍くらいまで多くなり、経済も一気に発展した。
お金は領主である僕の下にも結構入ってくる。
ハクシュトアの公共事業とかに使いたいけど、今はある程度貯めていた。
戦になると傭兵を使用したりするのにも金は使える。
その時になったら、使うつもりだった。
そして、僕のステータスも向上したけど……
当初の予想通り、僕は化物みたいな力を手にしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます