久留米レンジャー隊 隊員 大石隆太 (1)

 隊長代理の中島さんから、副隊長代理の眞木さんを脅していた広域組対マル暴の警官の猿渡ってヤツと、その直属部下2名の携帯電話のGPSの識別コードが送られてきた。

 内1人が……おい……眞木さんの家の近くに居る……。

 マズいな……。

 あ、動き出した。このスピードは……車かバイク。

 俺は今乗っているネット・ジャーゴンで「誘拐に使われる車」の代名詞になってる車種のバンのキーを回し……。

 ヤツの位置に近付き……ん?

 何かおかしい。

 ヤツの動きと一致してる車は……。

 目の前を走っていたバスがバス停に停まり……あ……バスから女の子2人が飛び出して……続いて、俺より少し齢上の男もバスから出て来る。

 身のこなしからして警官同業者

 眞木さんの妹2人はやがて二手に分かれ……ヤツは眞木さんの妹の小柄な方を尾行し……。

 俺はグローブボックスから、あるモノを取り出す。

 幸い……人通りも車も……ほとんど無し。

 俺はヤツの少し後ろで車を停車させる。

 最新型のEV電動車なんで音は、ほとんど……あ〜マズいな。今以上にEV電動車が普及したら、誘拐が楽になるかも知れない……。

 俺は手袋を運転用のモノから荒事用のモノに交換。

 車を出て、ヤツめがけてダッシュ。

「えっ?」

 ヤツが気付いた時には、俺の左手はヤツの口を覆い……そして、無針注射器がヤツの首筋の血管に麻酔薬を注入していた。

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