概要
誰が死に、誰が生き、誰が殺して、『イキノコル』!
1994年、奥多摩の白神村で一人の男が全村民を殺害するという前代未聞の大事件が起こる。後に「平成の八墓村」と呼ばれるようになったこの事件であったが、やがて、事件後に廃村となった白神村に事件の『イキノコリ』が出没して村へ侵入する人間を殺す、という噂が流れるようになっていた。それから十年後、今度は八王子市内を走る路線バスが予備校生によって占拠されるという事件が発生。だが、犯人の無謀な要求によって奥多摩の山道を暴走したバスは運転を誤って崖下に転落。助かった乗客ら十名は、偶然近くにあった旧白神村へと避難して救助を待つことになった。ところが、翌日運転手が首切死体となって発見され、さらに乗客二人がバラバラにされて殺害されてしまう。互いに疑心暗鬼になる乗客たち。だが、一人、また一人と乗客たちは殺害されて
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!サスペンス性の高い大量殺人テーマの本格ミステリ
周囲から隔絶され、かつて村民が大量死した廃村に、とある事件の関係者10人が避難することになるが、そこで再び連続殺人事件が勃発。
一人、また一人と殺害されていき・・・というストーリー。
展開が早く抜群にリーダビリティが高いため、一気に読み進めました。
が、全体の内容としては、本格ミステリというよりサスペンス小説に近い「そして誰もいなくなった」のようではなく、ガチガチの本格ミステリです。
本作でも複雑極まりないプロットを手際よく収束させる手腕は健在で、その確かな腕前には脱帽するしかありません。
ただし、大量殺人を支える動機としてはいささか弱いと感じましたが、総じて極めて巧緻な逸品で、作者の…続きを読む