事件編 幕間3
『イキノコリ』は白神村の後方にある山林から、じっとこの廃村を見据えていた。
すでに三人が殺害された。今、あの村上家には七人の人間がいるはずである。
『イキノコリ』は手に持っている手斧を見た。その手斧に付着していた血が雨で流されていく。あの惨劇の際に付着したものだろう。
再び悪夢は始まってしまった。十年前と同じである。この村の殺人は、皆殺しになるまで止まりはしない。十年前に経験した悪夢が、嫌でも脳裏によみがえってくる。
雷鳴が鳴り響く中、『イキノコリ』は死に近い場所にあるこの村を見下ろす。
あと何人死んでいくのか。そんな事を考えながら。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます