初めて知ったの何年前だろ…今更感漂う1ファンのレビューですが未だにこれまで出会った中で最高の作品は何かとなったら断トツで『カルマの塔』を頂点に掲げます。熱が違う、深みが違う。問答無用で揺さぶられ、引きずり回される。
“傑作”とは、触れればその日から例えちょっぴりでも世界の見え方が変わるような、読み手の世界観をすら揺るがすほどの強烈な磁力を有しているような、そんな魔法を持つが故に“傑作”足り得るのだと思います。
中々長いですがその全てが濃密にクッソ面白いです。少し合わない章があったとしても、とんでもなく懐の深い作品なのでつまらなく思う暇がありません。
本当にどこまでも美しい物語。概要の紹介文の意味を真に理解した時、きっと心の底から震えるはず。この素晴らしすぎる大作を書き上げて下さった作者様には最大限の敬意と感謝を捧げさせていただきます。
〝その白は全てを覆い隠す〟
認められ、信じられても。
好かれ、想われても。
愛され、許されても。
たとえ国の頂に上り詰めたとしても。
〝臆病な自分は変わらないから〟
だからこそ立ち止まることもない。
許すこともない。
あの日、賽は投げられた。
〝投げられてしまった〟
リンゴを食べることに自由を感じる。
そんなちっぽけな日々のなか。
それでも幸せはあったのに。
身の丈に合わない幸せを
世界に望んではいないのに。
葡萄酒を並々と注ぎ呷るような人間が人間と呼ばれ目の前の唯一の微笑みさえも奪われてしまうなら。
〝ぼくはこの世界に復讐しよう。…必ず積み上げてみせるから。ね?姉さん〟