徒歩15分の帰宅中に話す幼馴染との暇つぶし会話

空野 雫

第1話 暇つぶし

「あら、今帰り?」

「うん」

「電車の時間一緒なんだね」


 幼稚園から中学までずっと一緒にいた幼馴染。高校は違うところになったけど、今日は学校が終わる時間が一緒だったみたいだ。


「歩き?」

「うん」

「カバン持って」

「なんで?」

「道が一緒だから」

「だりぃ」

「15分くらい頑張りなさいよ」

「俺が頑張らないけないのか」

「じゃあ勝負しましょ」

「断らぬ」

「よろしい。あっち向いてホイね」

「ドンと来い」


「ちなみに俺はグーを出すぜ」

「なら私はパーを出すよ。もし嘘つかれてたら悲しいなー」


 じゃーんけんぽん

 あっち向いてホイ


「ハイ、カバン持ってね」

「1ターンで負けた」

「考えてること丸わかりだから」

「そんなんチートや!チーターや!」

「相手の実力を素直に認めないでチート扱いするのは良くないよ」

「さーせん」


「次は負けん」

「負けたらまたカバン持ってね」

「おっけー。じゃあまた明日」

「またねー」


 あ、明日会えるかは分かんないのに、つい今までの癖で『また明日』と言ってしまった。

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