徒歩15分の帰宅中に話す幼馴染との暇つぶし会話

第62話 修学旅行1日目(夜)

「民宿かー」

「いいじゃねーか漫画もあるし」

「でもやっぱホテルとか温泉がなー」

「相棒はでっかいのが好きだからな」

「そりゃそうよ」

コンコン

「？」

「誰だろうな……」

「ヤンキー君俺以外に友達いたっけ」

「いや、尋ねてくるような奴はいないはずだ」

「じゃあ……俺か」

「だな」

「いますよー」

ガチャ

「や、やぁ」

「えっと君は？」

「名前なんてどうでもいいんだ！　相談に乗ってくれ」

「なんだ、なんだ。いきなり入ってきて相談とは？」

「実はある女の子と明日の水族館を一緒に回りたいんだけど協力してくれないか？」

「いや、無理」

「なんで！？」

「俺も女子となんか回れん」

「いや、僕は知っているんだ……君が女の子と仲良さそうに帰っている所を！」

「そうだったのか相棒！」

「いや、幼馴染」

「お菓子を一緒に食べあったり」

「それ取られてるな」

「腕を組んだり」

「それ関節技やな」

「家まで送り届けているということを！」

「同じ町内だから道が一緒なんよ」

「頼むよ！　僕も彼女が欲しいんだ！」

「だから――」

「気に入った！」

「え？

「女子と修学旅行でデートなんて青春じゃねーか！　協力してやろうぜ相棒！」

「えーまじか……」

「ありがとう！　君って見かけによらず優しんだね」

「漢の中の漢が目標だからな」

「うへー」

ピロン

えーっとなになに……

「なぁ、君が一緒に回りたい子ってなんていう子？」

「美咲ちゃんだけど？」

「ヤンキー君俺ちょっと幼馴染と連絡してくるわ」

「おう、行ってら」

終わったかもしれない