第5話 友達 その2

「うぃっすー」

「やっほー」


 じゃんけん、カバン、歩く。よし。


「友達できた?」

「できたー」

「やったやん」

「そういうお前はいるの?」

「女の子はね、最初はみんな仲良いのよ」

「オンラインゲームでギルドに入ったばっかの現象か」

「ちょっと何言ってるか分からない」

「押忍」

「もうすぐ体育祭だからね。もっと友達作るチャンスだよ」

「そっか。上手い絵を描いてパネル賞を取り友達いっぱい作戦か」

「うん、違う」

「マ?」

「マ? 女の子いっぱいなんだから足速いとこ見せて黄色い声援と共に友達いっぱい作戦でしょ」

「なーるほど。そりゃ完璧だわ」

「問題は誰も足が速いことを知らないから、選出されるかどうかだね」

「綱引きルート一直線なりそう」

「あ、応援団は?」

「部活で出れなそう」

「やめちまえ」

「暴論」

「たまに男子でいるけどさ、体育祭かったりー、まじめんどくせぇーってキャラはやめなね? あれ女子から嫌われるから」

「俺、体育祭とか好きだから大丈夫」

「じゃ、頑張りなさい」

「押忍」

「じゃ、また今度」

「じゃなー」

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