問5 つるかめ算
「今日も論理的思考力を鍛えようね。
それが数学の点数を上げる近道だから頑張って。ある程度の基礎学力がないとヤマ感の張ることもできないし」今日こそ解いてみせるよ!
「お、気合充分だね。今日のは小学生でも解ける問題を用意したよ」
「じゃあヒントなしで解けたら『チュー』して?」必殺の上目遣い。ほんとに必殺なのかはまったく解らないけど。
「んっまぁ……いいよ。誰にも見られないところなら」
? 遊くんがなんか複雑な顔してる。嫌だったのかな? もしそうなら…………今すぐこの5階の教室から飛び降りたほうがいいかな?
「あのねぇ、嫌いな人間のために放課後、時間割いてまで勉强教えないよ?」
単純な私は安心してちょっと細い遊くんの腕にしがみついた。
さて本題
つるとかめの頭の数は合わせて8個、足の数が合わせて26本であるとき、つるとかめはそれぞれ何体いるか。ただしつるの足は2本、かめの足は4本である。 (小学生でも理解できるように連立方程式を用いることは禁ずる)
あーやったなぁ。中学受験する人たちがサラサラと解いてた。
うん。解ける。
回答
つるが8体のとき、足は16本である。これでは足が10本不足する
つるを1体減らすごとに足は2本増える。つまり10/2 = 5体で成立
Answer = つる3体、かめ5体
「お見事!」
「じゃあ……」
唇が重ねられていた。なんの前触れ無く、遊くんかキスしてくれた。暖かくて柔らかい唇。
ほぁっと心と身体が反応している。運命の人はこの人なんだって胸が高まって、同時に胸が苦しくなった。誰にもとられたくない。せめて今だけは私だけを見て欲しい。勝手な、本当に身勝手な『想い』。
キスの後、遊くんは少し恥ずかしそうにしていた。
こっちも恥ずかしいよ! でも積極的な遊くんも好きだけどね。
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