問9 遊くんはこういう問題が大好きです
公式
解と係数の関係(2次方程式)
ax^2+bx+c = 0 の解を α、β とすると
α+β=ーb/a αβ=c/a が成立する。
出題
以上に示した公式を証明せよ
渋い顔をした遊くんは「うーん面白くない問題だなぁ。中学生向けだよ。吉田教諭の数学的な美的センスは理解し難い。数学はもっと美しく、心に染み入る学問なのに」
これは今度刹那に出題しよ
そうだなぁ。あぁこれ面白い。数学と論理パズルの合わさった問題だ。
出題
問1
赤いボールと白いボールが50個ずつ合計100個あり、ボールを入れる箱が2つある。
そして「どちらかの箱を選び、その箱に入っているボールを1つ取り出す」という操作を1度行う。
この時に、白いボールを取り出す確率をなるべく高くするには、100個のボールをどのように2つの箱に分けて入れればよいだろうか? 答えよ
なお、全てのボールは箱に入れなければならない。
問2 そしてその条件で白いボールを選ぶ確率を求めよ。
「ねぇ遊くん。面白いか面白くないかで解く問題を選ぶから成績上がらないんだよ?」
「大学受験には成績が関係しないからそれでいいんだよ」
やっぱり遊くんの感性は解らないね。さすが私の彼氏。付き合ってないけど。告白はいらないからプロポーズでいいと思う。
「問1は解いてみて?」
うわぁ飛び火した。
「まぁまぁそんなに難しくないよ」
正直これは解る。遊くんのおかげで少しずつ私の思考力が鍛えられた実感が湧いた。
以下 問1 に対する刹那の考え。
こんなん、1つの箱には赤いボールを50個、もう1つの箱には白いボールを50個
と設定すればいいじゃん。50%以上にできるの?
「残念。不正解です。50%以上にできるからこの問題は有名なんだよ」見事に滑った。
では 以下遊くんからのヒントです
1つの箱に必ずしもボールを50個入れるという設定ではない
なるほど。これは発想の外側だった。50個入れなきゃいけないんだと思った。
「ということは偏りを作って?」
以下 問1 遊くんのヒント2
そうこの問題のコンセプトは偏り。極端に考えて、必ず白いボールがでる箱と高確率で白いボールがでる箱を作る。
えーそれはちょっと実現不可能じゃない?
「できるよ。ちょっとした発想の転換が必要だけど。
いやぁ本当にこの問題は美しい」
以下 問1 問2 の解説
必ず白いボールがでる箱は白いボールを50個入れなくても、箱の中に白いボールを1つだけ入れる、という操作で実現できる。この箱をAとする。
そして残りのボールをすべてもう1つ箱に入れれば、白いボールが49個、赤いボールが50個というほぼ1/2で白いボールを取り出す設定にできる。この箱をBとする。
そしてどちらの箱を選ぶかは1/2なので立式すると
Aが選ばれた場合 1*1/2
Bが選ばれた場合 49/50*1/2
この確率はA+Bで求められて、評価すると74%~75%の間(確率なので≒になってしまう)(まぁ50%以上なのは示せた)
ねっ?って笑う遊くんはやっぱりかっこいい
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