冒頭の始まりからおじいさんのキャラクターが見えて良かった。友人マックの所帯じみたキャラクターと譲らない強さも好き。戦争の悲惨な要素よりは戦火の人の温かさ、強さってのをとらえた感じの短編で、ほんのり切ない感じ。個人的脳内分類はジュブナイルの良い短編。
タイトルの意味が最後まで読んでようやく胃の腑に落ちました。始めはどこかの戦場の最前線で負傷して部隊から取り残された兵隊さんから始まります。しかし、兵隊さんが行った先の村でとんでもない事件が発生、しかも、それは戦争での付録のようなアクシデント。それに対して出てきたのは、軍人でも何でもないただのロートルの町医者。しかし、彼により、大勢の村人たちが人知れず救われます。本当の巨人こそ、実はその爺さん町医者でした。戦争のばかばかしさ、本当の英雄とは何か、そんなテーマが気軽にちりばめられた短編の佳作です。
私利も保身も捨て、人のために自分のできることをする。それがカッコよさだと、この物語は教えてくれる。人はカッコよくあるべきである。この物語の登場人物のように。痛快至極。気分が晴れる小説である。お読みなされ。
現代戦のような雰囲気の中、物語は進みます。冒頭で若き二人の兵士が出会う老いた医師、その奮闘、その覚悟……。そして仲良くなった彼らが遭遇する、ある事件。その事件は、所属する軍の根幹を揺るがす事件ではありますが、その影響が己に降りかかるのも構わず、立ち向かっていく「巨人」とは――短いながらも切々と読む者の心を打ち、その「巨人」を仰ぎ見ることでしょう。是非、ご一読を。
舞台は戦場。二人の若き兵士が、医者のお爺さんと出会います。もし、自分の身が置かれている場所が戦場なら、ほとんどの人は自分の命が守られることを最優先とするでしょう。役割を捨ててでも。誇りに目を背けてでもそうするでしょう。それでも、生き様がそれを許さない。そういう人と会った時……見上げる場所があまりに高すぎて、まるで巨人のように感じるのかも知れません。4話構成とは思えない重厚な作品です。おすすめです!
もっと見る