『37』 注文内容の確認

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「四方面さん、あなたは何のダンゴを注文したのですか?」


◆推理パズルヒントA◆



「僕はUGDを注文したよ。それに、一番最後に席を離れたのは僕じゃないよ。僕が席を離れた時にはまだUGDは配膳されてなかったからね。UGD以外のダンゴはすぐに運ばれてきたんだ。僕がいるうちにね。やはり高級ダンゴだから、用意するのに時間がかかるんだろうね。だから、杏子とゴマキには先に食べてもらっていたんだ。実際にUGDが席に届いたのは多分、僕が席を離れた後だったんだろうね」


 彼が席を離れた理由は、門崎さんに求愛するためだったよな。その時のことは覚えている。思わず手にしたスマホから目を外すほどに。

 突然連絡先を書いた紙を取り出して……、ん? 名刺ではなかったな。なんかしわくちゃの、ところどころ破れたおかしな紙だった。名刺を持っていなかったのか?

 彼が席を離れなければ、極論ダンゴは盗まれることはなかった? 彼が見張っていれば、誰かに盗まれる前に食べてしまえばよかったのだ。

 ということは犯人は、彼が席を離れる原因を作った門崎さ……あいたっ!!

 アタマに何か尖った者が当たった。カランと音がした方を見てみると、ダンゴの串だった。離れた席から門崎さんが俺を睨みつけている。

「私の顔をきょろきょろ見て、なんだかよからぬ疑いを私にかけているでしょう?」

「そ、そんなまさか。はは」

 推理も串も的中である。

「次は皿を投げるから」

 そんな物騒なことをさらっと言う門崎さん。

 門崎さんは悪くない。悪いのは、ダンゴを盗んだ犯人だ!

 絶対に白日の下にさらして、そのアタマに串を投げつけてやる!!



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