『41』 真実のカガミは
1つ前のページ⤴『30』
トイレの中に入ることにした。
杏子さんが言っていた、鏡が本当に割れているかを確かめるためだ。
すると驚くべきことに、男子トイレも女子トイレもどちらも鏡が割れていたのだ。
「気付いたわね。重要な確定情報に」
振り返ると、後ろに門崎さんが立っていた。
こわっ!
「あなたは一度もトイレに立たなかったから、気付いてなかったでしょうけどね」
そうか、所長は店に入ってすぐにトイレに入っていた。その時点で鏡が割れていたことに気づいていたってことか。
門崎さんは割れた鏡の『ヒビ』に指を滑らせていた。
「ちょ、ちょっと! 危ないですよ!」思わず彼女の手を掴む。
「ヒビを見かけると、指でなぞってみたくならない? ほら、私ってひねくれてるから」彼女の細く白い指が割れた鏡で傷ついてしまいそうで、見ていられなかった。掴んだ手を離したが、彼女は鏡のヒビを撫でるのをやめようとしなかった。なんだかとても、楽しそうだ。
「ケガしたら危ないのでやめてください!」強く叫んでしまった。門崎さんの手が止まる。まるで、いたずらを咎められた子供のような、全然反省をしていないような笑みを浮かべていた。
「それはそうと、いいの? 確定情報を、より強力な武器にするために、さらに確認が必要でしょう?」
真犯人を揺さぶるための、穴ぼこだらけのバリケードをぶっ壊すほどの、武器を手に入れるために。
「その鏡が、一体いつから割れていたのか。それを確認する必要がある。さ、ここからが本番よ」
◆◇手がかり入手◆◇
以下の情報をメモしておいてください。
【手がかりFに「鏡は割れていた」、手がかり番号Fに「13」と記入】
そういえば、トイレの入口のドアに、破れた紙が貼ってあったな。四隅がテープで貼り付けられていて、真ん中の部分が破り取られている。
これも何か事件に関係があったりするのかな?
▶手がかりGを持っている場合、『41』+手がかり番号Gのページへ
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