新婚一年目に突入したので全力で離縁を目指します

聖歌隊に憧れる令嬢メイヴィスは「１７歳になったら修道女になるのを許可する」という兄の言葉を信じ暮らしていた。
しかし１７歳の誕生日を二ヶ月後に控えたある日、辺境伯である兄から公爵家との婚姻が決まったことを告げられる。
必死の抵抗もむなしく次期宰相と名高い公爵家嫡男オズワルドとの婚姻が結ばれてしまう。
悲嘆にくれるメイヴィスだったが、嫁ぎ先の公爵家には「一年以内に子どもが出来なければ離縁し次の妻を娶る」というしきたりがあると聞き、離縁して修道院に入ることを目指す。
だが政略結婚のはずの夫は、メイヴィスをどうやら溺愛しており──

「メイ、一緒にお茶にしよう」
「仕事をしてください」

「君に似合うと思って用意したんだ」
「無駄遣いはやめてください」

「子どもが生まれたら名前はどうする？メイヴ…続きを読む