キャバクラでは19歳でも酒飲んでます
「ちょっっっっおまえ、真尋恵憂だろ」
「ななななななんでそのことを!!!」
やば。ボーイさんがこっちを見てる。大声出しすぎた。
「とりあえず落ち着こう、お互いに」
ふたりして深呼吸をして、先に口を開いたのは……なんて呼べばいいんだろ。真尋? 源氏名聞いてないしな。女の子だった
「えっと、ほんとになんで私のこと知ってるんですか? 心当たりなさすぎてびっくりなんです」
さてどうしたらいいか。このまま働き続けて逮捕されると困る。主に俺の責任問題的に。こいつのことは立華さんから託されてるしなぁ。
「2つのキーワードを出す。
私立紅葉園。
渡辺 立華。」
それだけでこいつの顔色が真っ青になった。
「お店にだけは言わないでください。なんでもしますから!」
「いや、いいよ。言わないから。その代わり逮捕とか補導とかされないでね。お前になにがあっても関係ないし」
ぜひとも責任問題は保護者の方に向かって欲しいものだ。
「すごいドライですね。まぁ有り難いですけど」
「とりあえず酒飲むか」
「あっ私、お酒飲めません」
「お前、キャバ嬢にむいてないよ。せめてもうちょい胸がないと女扱いできねぇなぁ」
「あっ貧乳って言いましたね! 来年くらいにはもう少し大きくなりますからね!」
そのまま特に会話なく他の女の子が入ってきて交代していった。
次についてくれたのは「まほ」さん、自称20代。
会話を程々にして、ドリンクも入れてあげて、あのバカのことをヒアリングしてみた。
問題その1 年齢詐称が明らか
中学生か高校生だとみんなわかっててスルーしてる
問題その2酒が飲めない
一口で裏に引っ込みトイレで吐きまくる
問題その3 会話が下手
お客さんからクレームが出るレベル
うん。すぐにクビにされると分かったのであのバカのことは放置することにした。
まほさんが最後に
「あの娘があんなにすんなり会話してたのは初めて見たなぁ」
とこぼしていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます