私、教員免許も持ってます
なるほど。高校の教師は4月頭から仕事が始まり、3月末は比較的暇なのか。
普通の職業の方は4月入社が当たり前だが、学校というものは4月にはもう動いていなければいけない。なので私立紅葉園学園は3月入社というスケジュールになっている。
そしておそらく立華さんの意見か採用担当の方の推薦なのか1年目で担任をすることになり、超忙しい。担任するクラスに入ってくる生徒の名前と顔を一致させるために顔写真付きの願書をにらめっこし……23時に手が止まった。今日も終電逃したのは関係ないので排除。俺のクラスに『真尋恵憂』という少女が配置されていたことには驚いた。なにこの裏工作……。
再度述べるが学校というものは4月には動いていなければならない。だからこんな普通の会社とは違うスケジュールで新人歓迎会をしているわけだ。ちなみに今年入社(入社でいいのか?)したのは俺だけだった。
特別なことなく終わって、「あーめんどくさい。早く帰りたわ」って思ってたのに……佐々木さん?(名前覚えるの苦手なんだよ)という上司に連れられ、男4人でキャバクラへ来ていた。しかもわざわざ六本木ですよ? 道中「あのそんなお金ないんですけど……」とこぼすと佐々木さん(もう佐々木さんでいいや)がタクシー代から遊び代まで、全部俺が出す! と男前な答えが返ってきた。
んで着いた店。料金体系が40分6000円 + サービス料 + 延長料金 と余裕で1万は超えそうである。これを4人分奢ったら……考えたくもないね。ビビっている俺をよそに佐々木さんはどんどん中に進んでいく。まぁ着いていくしかないか……。人間、諦めが肝心。
4人ばらばらの席に案内され、俺はタバコに火をつけて頭を空っぽにしながら煙の流れを眺めていた。まぁ女の子の前でタバコって時代的によくないし。深く考えてなかった。てか誰がこんなことを考えられるのか。
間違いなく俺は2回目の運命に出会った
席についてくれたのは
どう見ても10代半ばの、整ったキレイな顔立ちで、幼さが残っている美少女だった。
そして初めてカウンセリングに行ったときにソファーに腰掛けていた、あの女の子だった。
そして『真尋恵憂』だった。
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