恵憂カウンセリングレポート1
「立華さんの言った通り、先生が助けてくれました。
でもわからないんです。なんで私みたいな……
勉強もできない、見た目も素行も悪い生徒に……あんなにしっかり向き合ってくれるのか」
「……それには3つ誤りがあるわ。
わかりやすいのは……素行っていうところね。素行が悪い理由は深夜帯に仕事をしていたからでしょ。睡眠不足で朝に起きることができないのは明白ね。
次に勉強。これは酷い言い方かもしれないけどLD……学習障害というきちんとした病気。その病気に理解のある学校として、私が私立紅葉園に推薦したわ。
見た目は他人が評価するもので恵憂ちゃんが決めることではないことではないです
以上の3つ。」
「学費が高くて、潰れそうでしたけどね。でも今は笑えるネタになりました」
「それに関しては謝る必要があるの。もっと桜井くんが早く行動するって勘違いと恵憂ちゃんがなかなかがんばれたこと、かな」
「まぁ結局、先生が助けてくれたので……」
「まぁそうね。あと今後について、学校の勉強はどう?」
「それが……さっぱりわからなくて。先生にも赤点レベルの科目ばっかりだって言われちゃって……」
「……ここは正直に言いましょう。恵憂ちゃんには理解できなくて当たり前です。でも私は学校という場所でしか味わえないことがたくさんあるので、さっきも言った通り『理解のある』学校で3年間を過ごしてもらえれば、と考えました。
なのでさらに正直に言ったら、恵憂ちゃんがテストで赤点でも自動的に進級します。これは桜井くんにも伝えてください」
「だから恵憂ちゃんはしっかりと青春期を過ごして、健康なメンタルを作ってね」
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