私は腐女子じゃないんだなぁ

「さて、洗濯は必須事項だが……どっちがやる?」

「絶対に私がやります!」

 顔真っ赤……こういうところもかわいくなったね。やっぱり生活環境も大切なんだと再認識。

 ところで

「真尋、やらしい意味じゃないのを念頭に、下着何枚持ってる?」

「……普段使いは3つです」

「普段使い?」

もじもじして

「買いに連れて行ってもらったときは『そういうことがあると思って』高いやつを買ったので……」

 んー。やっぱりなぁ。ここまで真尋と向き合ってきたのでぶっちゃけ予想通りである。

「普段使いの下着ってどこで買うの?」

「それはちょっと……恥ずか……」

 顔真っ赤。真尋ってすぐ顔が真っ赤になるのね。

「まぁググるか」

「えっとユニクロとかしまむらとか……です」

 ポピュラーだな。俺は行ったことないけど。

「おいおい、ここ高級住宅街だよ? 駅チカにもないし。車出せばまたちがうけど」

 俺はこれで真尋を試している。わがままが言えるかどうか。

「……」

 無言。でも少しもじもじしてから

「……車、お願い」

「素直じゃん。素直な思いはきちんと伝わるからね」

 頭をグシグシして褒めて、それを嬉しそうに笑顔を浮かべていた。


 車で走ること15分ほど。お目当てのしまむらがあったので、駐車場に車を停めて降りようとしたら案の定真尋が真っ赤な顔で

「せっ先生はここで待っててください」

 当たり前なことに気が付き

「ほれ軍資金」

 1万渡すと

「ありがとう」

素直に受け取ってお店の中に入っていく

前だったら『待たせること』も『軍資金』も素直に受け取らないで、あれやこれや言ってたけど。俺はこっちのほうがいいと思う。素直は美徳だから。


30分ほどで帰ってきた真尋の手には中の見えない紙袋があった。

「気に入ったのはあったか?」

「先生、それセクハラ」

 なんて言いながら本当に嬉しそうに微笑んでいた」




 外はくっそ暑いのでエアコンをがんがんに効かせて寝ていた、そんなある日のこと。

 おそらく真夜中。ゆさゆさ揺する感覚で瞳を開けると、真尋と目線が合った。あぁそうか。またか。

 黙って布団のスペースを半分空けてやると、そのまま空いたスペースに入って俺にしがみつく。そしてひっくひっくと泣き始めた。

 この行為はいつが最初かわからないが、たまにこういうことがある。そして本人には自覚はないらしい。まぁ泣き終わったら真尋の部屋までお姫様抱っこでもどしてるからかな? 寝てるときでも泣くなんて……いつか解決することがあるのだろうか。

 こういうときでも心の傷の深さを感じる。そんなことを感じれば劣情なんて起きない。

 いやサラサラヘアーから感じる甘い香りとかきれいなうなじとか……。

 改めて思うけど、真尋って美少女だよなぁ。



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