概要
異世界は、すっかりもう滅んでいた。
この世界には冒険者も魔物もいない。魔術は廃れ、蒸気文明が興り、しかし突然、世界は崩壊を始めた。人は結晶となって消えていく。世界は白く崩れていく。蒸気自動車の助手席にエルフの少女を乗せて、夜には道端でキャンプをして星を見上げ、焚き火で缶詰を温めて腹を満たし、生き残る人々と出会ってはすれ違うように別れて、夜明けを探してどこまでも旅をする話。
◆ファンタジア文庫より2月20日に刊行された「さよなら異世界、またきて明日−旅する絵筆とバックパック30−」のカクヨム限定の試し読みとなります。
◆ファンタジア文庫より2月20日に刊行された「さよなら異世界、またきて明日−旅する絵筆とバックパック30−」のカクヨム限定の試し読みとなります。
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おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!良質なファンタジーの香りが、蒸気と珈琲の湯気に乗ってやってくるような。
「放課後は、異世界喫茶でコーヒーを」という作品を、私はここカクヨムでなくライトノベルで知った。しっとりとした雨上がりのような優しい気配のする名作だ。そして、この作品はカクヨムでも連載されている。こちらは文庫とはまた異なる、春の午後に似た穏やかさをもつ名作だ。
本作の作者、風見鶏さんの前作品である。
そのゆったりとした独特の空気感がとても好きで、私は「イセコー」がいつまでも続いていくものだと思っていた。いや、続いて欲しかったのだ。そんな同士はきっと大勢いることだろう。(あれころ語りたい)
しかし、物語に終わりはつきもので、「イセコー」は素晴らしく心温まるエピソードをもって完結した。最…続きを読む