世界はどこかでリンクする

 最初は高校の時だった。今まで学んだ事柄がどこかでリンクしていることに気がついたのは。周りはそんなことを口にしないし、騒ぎ立てている人は誰もいなかった。体育の先生(厳しいと有名だが、信頼はされていた。ちなみに体を動かす時に髪を結ぶことを教えてくれた人でもある)曰く、「覚える時には何かとリンクさせて」とのことだった。私は、その時雑学とリンクさせて覚えていたので特に気にも留めていなかったのだが。しかし、大学になった今なら分かる。ある授業で学んだこと、発表したことがどこか別の授業でリンクしていたからだ。

 例えば、一般教養あるいは文化を学ぶという名目でチョコレートのことを学んだ日があったとする。別の日に児童労働のことについて学ぶとする。ここでカカオのことが一部分だけ絡んでくる。すると、驚くくらいすんなり頭に入ってくるし、手も簡単に挙げられる。日常生活の中にもリンクさせられる事柄はたくさんあるだろう。アニメや漫画などの元ネタに興味を持って調べる時だ。例えば、まどマギ。エントロピーという言葉は難しいし、契約も列記とした法律用語であるなどリンクさせて覚える箇所が多い。かわいいキャラクターで隠れがちではあるが、教養があるか、それがなければ調べる必要性がある事柄はどこかにあるのだ。最近目に入ってくる漫画やアニメにはそういった意義を感じにくいのでちょっと悲しい。

 私が言いたいのは、細かい謎が徹頭徹尾仕込まれ且つリンクさせる事柄が多い作品が大好きであり、自身もそんな作品を作ってみたいということ。しかし、これには一つ弱点がある。

 というのも、分かりやすい作品であれば読者が入り込みやすいのだが、私の場合はその真逆のことをしている。つまり、理解できる人が少ないということである。ファンはもとよりアンチが誰もいないというのは問題では無かろうか。(オリジナルであれば少しは分かりやすくするが、2次創作はそうしようと思わない。これは、ある種の挑戦状を叩き付けているようなものだからだ)

しかし、メリットもある。というのも(私自身の気質も大いに関係している可能性もあるが)、先の展開が読めないのである。いい意味で裏切られたという読者もいた。が、大体は解が分からなければ困るという読者が多いので私自身困っている。ちなみに、私の場合完全な悪は一人もいないように気をつけている(ヒトでない者は例外)が、これは何度も聴いている大好きな曲(天庭)の影響を受けているからである。すべての人類は足掻きながらも必死に生きているからである。だから完全な悪がいないのである。

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