忖度はした方がいいんだろうか

 キャラクターデザインは、大体にしてシンプルなモノが多い気がする。フリルのスカートなどでさえ、今は半分邪道という扱いに見えてしまうのは気のせいだろうか。

 最近ずっとキャラクターデザインにおいては忖度しているような気がする。Twitterのフォロワーさんの一人があまりにもフリルを好まないというのもあるが、フリルの数が段々と減ってきているのだ。コンセプト的に現代的な服程その傾向が強まってくる。パンクファッションなどでさえもそんな感じである。フリルやリボンで彩られた服はデザイン出来ないんだろうか。デザインしてはいけないのだろうか。

 フリルのデザインが好まれない理由として、描いている人曰く「下書きに時間がかかる」というのがあるらしい。それと、シンプルなものを好む人も一定数いる、というのもあるだろう。私自身、フリルのスカートが好きというのもあって、勿体ないと感じている。少女漫画や童話に出てくるかわいいドレスが昔から好きだったというのもあるかもしれない。

 資料(主に好きなアニメや漫画、ゲームのキャラクターグッズ)を自分で、或いは他の人の助けを借りて集めていくにつれて、フリルを使わなくても女の子の服は可愛く出来るという事実に辿り着いた。ニットワンピースやプリーツスカート、オフショルダーの服やショートパンツ。ベルトやリボン、スタッズやボタンだけでもレディースの服は描けるんだな、と驚いたものだ。

 どうもこの世界では、自分が好きだからというだけでは大勢の人には受け入れてもらえないらしい。私は女の子と動物(マスコットみたいなの)専門だからか、かわいいもの以外は見えていなかったように思える。かっこいいものほどシンプルで洗練されているように見えるのは気のせいだろうか。

 紆余曲折の末に、好きなものを大量に詰め込みつつ「性差がないヒロイン」というものをデザインしたが、何から何まで女の子にしか見えないという大事故を起こしてしまった(元ネタのキャラクターもどう見ても女の子である上、公式でも女性キャラ認定している為、こればかりは致し方ない)。ちなみに中身はかなり中性的になっているからか、そういう意味では成功したと言えるかもしれない。

 今はおもちゃでさえジェンダー不問の時代が生まれているという。アメリカのとあるおもちゃ会社では、性別問わずに遊べる人形を企画し、実際に販売したというのだからすごい。おもちゃに限らず、「どんな人でも着られる服」などもあるらしい。もしかしたら、性差という垣根を消していくのも必要なことなのかもしれない。

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