「悪の女幹部にも人権があるんです! 鉄管で側頭部を狙うのはダメです!」 ごろん
特定条件を満たして『魔法』の力を得た処女が組合管理のもと魔法少女として活躍し、そんな少女らを補助するため、特定条件を満たした童貞が魔法使いとして共闘する現代日本。
地方都市で工場事務員として暮らす『佐々木・彰示』は、三〇歳の誕生日を童貞のまま迎えたその日、魔法使いの条件を満たしたことで、組合にスカウトされる。スカウトマンの、元無口クール魔法少女現在二十六歳コミュ障の説明に『地元のためになるなら』と快諾。
そこで相棒となった魔法少女は、少女というには肉付きの良い今年で十八歳の、おどおどとうつむきがちな『サイネリア・ファニー』こと『綾冶・綾』。
能力の減退から引退間近で、しかし大した実績も持てていない彼女は『立派な魔法少女になりたい』と強く願っていることを知る。彰示はその助けになるよう約束し、また、己も『立派な魔法使いになる』という約束を預けもして。
身元を隠すためにその辺で拾ったポリ袋をかぶり、戦うためにその辺で拾った鉄パイプを担ぐ。『町の平和』を守るために。
軽微な性描写、暴力表現があります。この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません…続きを読む
目次
連載中 全179話
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- ギリギリな彼女(十八才・魔法少女)とギリギリな彼(三十才・童貞)のギリギリな事情
- OP
- OP ――佐々木・彰示の述懐――
- 第一章 ギリギリな俺と彼女
- 1:元無口クール系魔法少女の闇
- 2:魔法少女組合
- 3:綾冶・文はいろいろとギリギリ
- 4:悪の秘密結社の女幹部だってギリギリ
- 5:目的に直線的で容赦ない感じ
- 6:彼の作戦名は、まだない
- 第二章:ギリギリな彼女が魔法少女を続ける理由
- 1:新しい日常
- 2:ギフト
- 3:比較論上での組合による犠牲者
- 4:誰にだって過去はある
- 5:だから聞いてほしい
- 6:後悔なんかしないように
- 第三章:意識の在り方とその差異
- 1:その懸念は彼の能力とは無関係で
- 2:少女たちの戦い
- 3:本心を一つに括る言葉
- 4:刺し違えてでも
- 5 :弱者の戦い方
- 6 :覚悟が決まっていないなら誰だって狼狽えるもんだ
- 7:決着は夢のよう、良し悪しは判断つきかねるが
- 第四章:慮外からの訪問者
- 1:悪の秘密結社の人材はギリギリ
- 2:思っていたのと違う
- 3:訪問者
- 4:業務の確認
- 5:混沌の渦中に呼び寄せられる
- 第五章:私たちは『立派』になれるだろうか
- 1:確かめておくべきこと
- 2:魔法使いの戦い方
- 3:組合と老舗の秘密結社
- 4:『良かった』
- 第六章:大丈夫、きっと
- 1:覚悟
- 2:あと一度、もう一度
- 3:限界
- 4:まだ、打っていない手がある
- 5:投げ捨てるのは、とりあえず品性
- 6:『大丈夫』
- ED
- ED――佐々木・彰示の述懐――
- ギリギリな私たち(なんにしろ年齢)とギリギリな組織(なんにしろ人材)のギリギリな事情
- OP
- OP ――佐々木・彰示の述懐――
- 第一章:状況は相変わらずギリギリ
- 1:彼女と彼の居場所
- 2:いろいろとあるけれども上を向いて
- 3:信頼が実績に依るものだとしたなら、この疑いはどこからくるものだろうか
- 4:大人の責任と体面と、誤解
- 5:相棒
- 6:敵味方に分かれてもあいかわらずのギリギリ
- 7:『私』と『あなた』はうまくやっていけるのだろうか
- 第二章: 正義と秩序の振りかざし方
- 1: その者、危険につき
- 2:適材適所だからと言っても
- 3:大人は見せるべき誠意を持ち合わせておく必要がある
- 4:定時の後の職業倫理について
- 5:あの人はいま隣にはいないのだから
- 6:仕込みは重要
- 7:目の前に啓ける光景は如何ほどのものか
- 第三章: 君と自分の居場所は、不均衡に揺れているのだから
- 1:後悔の彩り
- 2:少し遠いあなたに届けたい
- 3:崩れていく空模様
- 4:見誤る
- 5:信頼の確度
- 6:押し寄せるものを、押しとどめるために
- 7:戦場は残酷で、悲しい
- 第四章:世界は誰彼かまわず『迫って』くるようで
- 1: 帰路の途上の掌には
- 2:かつての『彼』と『彼女』
- 3:『イーグル・バレット』
- 4:どうしたって、誰だって、変わっていくのだから
- 5:スタンスと視点の高さ
- 6:彼方と此方の速さの差異
- 第五章:ギリギリだと言っても、負けられないから
- 1: 明るみに出る
- 2:きっと、そこに戻るからと
- 3:譲れないものも、無くしたくないものも
- 4:『総動員』
- 5:夜の長さを思ってしまえば
- 6:守るべき居場所
- 7:『負けたくなんかない』
- ED
- ED ――佐々木・彰示の述懐――
- ギリギリな私たち(ちょっとだけ奔放)とギリギリな敵対者たち(ちょっとだけ憐憫)のギリギリな事情
- OP
- OP ――佐々木・彰示の述懐――
- 第一章:新天地に溢れる闇はいずれを隠すか
- 1:危急に迫る救いの魔の手
- 2:その身を固く
- 3:手を縛られ、それでも最善を
- 4:ネオンの下に暗雲が湧き立つ
- 5:悪の秘密結社に身を寄せるのは
- 6:あなたが涙を落とす理由
- 7:目覚める不穏
- 8:探る手は、何を掴み取って何を狙うか
- 9:君たちの傷跡を塞ぐことはできないけれども
- 10:信じることはとても難しいからこそ
- 11:勝利は時に、悲しく虚しく
- 第二章:君が手を伸ばすのは、いずれを掴むためか
- 1:判断の正しさと成果の高さが
- 2:この手をあなたが掴めるように
- 3:傷は痛ましく、されど熱く
- 4:足が逸るのは胸が躍るからで
- 5:新たなステージを臨む舞台袖
- 6:望むべくを掴まんと
- 第三章:ギリギリな悪魁たちのギリギリな取り扱い方法
- 1: 巨悪は集いて会議は踊る
- 2:あの人の軌跡の輝きが
- 3:誰が、どれほど、
- 4:満たす要件と控える不穏
- 5:今を泳ぐ
- 6:その規模の大きさに、誰も胸を弾ませる
- 7:皆の舞台と自分の舞台を見比べて
- 8:正義と悪と、勝ちと負けと
- 9:予定調和を曇らす怪訝
- 10:色々あったけれども今は横に並ぶのだから
- 11:違和が広がり、暗雲が垂れる
- 12:悪転が波打ち寄せる
- 13:『あなた』へ届けるために、受け取るために
- 14:絶望とそこに降りたつ者の『カタチ』
- 15:されど暗がりはなお深く
- 16:勝利の味は苦く、勝者の姿は儚く
- 17:後始末に差し込む陽の明かりと、その陰り
- 第四章:隠すものと隠されるものと、こぼれ落ちるものと
- 1:傷跡の理由
- 2:その身に詰め込まれるのは
- 3:彼の弱音と彼女の力
- 4:君たちの若さに甘える訳にはいかないのだから
- 5:うごめく不穏が集まり積もる
- 6:いつもの通り、いつもと変わらず
- 7:事態の変わりように『私』は
- 8:求める代価の重み
- 9:『あなた』を信じているからこそ
- 10:代価の色合い
- 第五章:『私』を信じる『あなた』の声に
- 1:決死の結び目
- 2:隠すもの、隠したいもの
- 3:真実を掴み取るに、この身を捧げて
- 4:あなたのために、この手を汚そう
- 5:差し伸べられるその手の色は
- 6:号砲は遠く、けれど近くて
- 7:貴き糧
- 8:命の綱を頼りに
- 9:心臓を強く響かせる
- 10:沈む海は昏く、臨む空は遠く
- 11:嫌だ嫌だ、届け届いて
- 12:胸の音は誰より高く
- ED
- ED ――佐々木・彰示の述懐――
- ギリギリなあなた(三〇歳・童貞・魔法使いだけれども)とギリギリな私たち(それぞれ事情は違うけれども)のギリギリな事情
- OP ――佐々木・彰示の述懐――
- OP
- 第一章:何が一つ欠けようとも、あなただから私だから
- 1:並んで歩んで、ここまで至って
- 2:宵に今日が暮れて、酔いに明日を重ねて
- 3:この隣がたとえ欠けようとも
- 4:『ジェントル・ササキ』の価値
- 5:盛る威に手を伸ばす
- 6:危急に賭すは
- 7:欠けようとも、失おうとも
- 第二章:悪意と素顔を天秤に量れば
- 1:あなたが欲しい
- 2:全てを投げうってでも、この手に
- 3:不遼であり不明であり
- 4:全身全霊を、腹にこめる
- 5:悪意を呑む、吞み込まざるを得ない
- 6:悪貨で得られる人心は
- 7:誰も彼も『その日の為』に必死に生きていくのだ
- 第三章:この足元の違和は、ほんの少しだけれども
- 1:後始末は肩が重くて身が狭くて
- 2:最近どうにも様子がおかしい
- 3:ミナト
- 4:あなたがそこにいる
- 5:職務に伏す
- 6:混迷に『真実』が突き付けられる
- 7:どうにしろ『あなた』のために
- 8:エースの矜持
- 9:魔法使いは手管を探る
- 10:手札を開き、勝負に挑む
- 11:やっぱりちょっと、様子がおかしくて
- 第四章:信用も疑惑も、輪郭は鋭く
- 1:一重二重に、疑いが僕らを包囲する
- 2:仮面の下の素顔は冷たく不可解で
- 3:不明の泥濘をまさぐる代価を
- 4:あなたの信念に、誰も手を添えるから
- 5:譲れない一線の、彼方と此方
- 6:とり籠
- 7:君を救いたいのだから
- 8:彼も彼女も『立ち向かう』ために
- 9:『絶望』の蓋を押し開ける
- 第五章:それはまるで地獄のようで、けれど『あなた』に届けなければならなくて
- 1:染みるように、侵すように
- 2:滞る戦火に彼は願う
- 3:進み、抗い
- 4:苦境の最中に、立ち上がらんために
- 5:切っ先を
- 6:差し伸べられるあなたの『腕』が
- 7:その舞台はあなたのモノではないけれど、だからと言って
- 8:何を切り、何を拾うか
- 9:全力を、足らぬならなお押し込んで
- 10:渇くほどに望み、手を伸ばす
- 11:切った手札の柄は、バラバラで華やかで
- 12:切り札はあなたと私の『合意』の上で
- 13:今日ばかりは、今ばかりは
- ED
- ED ――佐々木・彰示の述懐――
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電車で読んではいけない 雨実 和兎
この作品は電車で読んではいけない
きっと笑い噴き出した所を見られ
おかしな奴だと思われるだろう
それ位に真面目にふざけた作品である
「褒めてるつもり」
勿論読んだ自分も吹き出した(; ・`д・´)/
★★★ Excellent!!!
最後までギリギリの事情ーー最高でした! ymsn
カクヨムで連載されていたのを少しずつ追いかけながら、タイトル通りの「ギリギリ」な二人の波乱万丈を追いかけました。正直言って、一部が終わってから更に面白くなるとは思いもせずーーーー語りたいことがありすぎてまだ完結とすら思えないくらいです。
ぼくにとってはWeb小説の教科書のような綺麗な文章で、このようなギリギリのハイセンスな下ネタを交えたユーモアを読んだ事は忘れられないです。
今なお参考にさせても…
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★★★ Excellent!!!
作者さんの辞書はどこ製なのか謎 魚雷艇長
覆面代わりにビニール袋被って鉄パイプを担いだ魔法使い
凶悪な胸囲を装備するギリ魔法少女とのコンビが織りなす物語
周りの者も一癖有り戦闘シーンがかなり面白いです
まずは読んでみてこんな表現も有るのか!!と驚いて下さい
★★★ Excellent!!!
笑う仕組みができている小説。 空館ソウ
聞きかじりですが、笑いは「緊張」と「解放」で構成されているらしいです。
その意味では、「みんながギリギリ」という設定がすでに「緊張」。
作中で主人公が破天荒なことすればノンストップの笑いになる。
この設定の時点で勝っている気がします。
もちろんその他にも文章のリズムや登場人物のクセの強さなど、笑いの要素が詰め込まれています。
休憩時間にさらっと読むより、風呂上がりのビールとともに読むのをおす…
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★★★ Excellent!!!
好きです。つきあってください。 サン シカ
この方の物語を読むのはこれで三つめ。まあ……よく毎度違うテイストで書けるものですよ。タグにもあるように『下ネタ』の『コメディ』なのですけど、同タグの小説群から頭一つ抜けているのじゃないかな。もちろん全てリサーチしてコンセンサス取ったわけじゃないですが、日にカクヨム小説を3~4作読みながらフォローしている小説も追っている僕から見て、少なくともこれに勝るコメディはなかったです。ギャグに徹した作品は数… 続きを読む