色んな意味でギリギリなのに笑って熱くなって感動してしまう!

 『童貞のまま30歳になると魔法使いになる』というのをこれほど上手く、面白く描けている作品を他に知りません。
 カクヨムに登録して間もない頃から一番の推し作品です。
 タイトルにある通りこの物語のヒーローとヒロインは色んな意味でギリギリなのに、彼らの活躍とヒロインの『揺れ』とヒーローの『仰角』から目を逸らせない……そして気づけば彼らのギリギリドタバタに腹を抱えて笑うのみならず、しっかりアツい展開に感動しているのだから恐ろしい描写力です。

 『魔法少女』『魔法使い』とそれが必要とされる理由である『悪の秘密結社』を現代の街中で、大衆の一種の娯楽として認知されている世界観、社会の一部としてファンタジーが存在するに足るシステムの構築と描写、それが人の作るシステムであるが故の偏りや脆さ、付け入られる隙をストーリーに巧みに組み込んでいるのも魅力の一つです。


 気づけばジェントル・ササキによる述懐という形の各章のOPとEDを心待ちにしている自分がいます。本当にクセになる言い回しなんですよね……。
 なので、新章が始まるOPには毎回ワクワクしております。
 これからも応援しております!

 

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