『童貞のまま30歳になると魔法使いになる』というのをこれほど上手く、面白く描けている作品を他に知りません。
カクヨムに登録して間もない頃から一番の推し作品です。
タイトルにある通りこの物語のヒーローとヒロインは色んな意味でギリギリなのに、彼らの活躍とヒロインの『揺れ』とヒーローの『仰角』から目を逸らせない……そして気づけば彼らのギリギリドタバタに腹を抱えて笑うのみならず、しっかりアツい展開に感動しているのだから恐ろしい描写力です。
『魔法少女』『魔法使い』とそれが必要とされる理由である『悪の秘密結社』を現代の街中で、大衆の一種の娯楽として認知されている世界観、社会の一部としてファンタジーが存在するに足るシステムの構築と描写、それが人の作るシステムであるが故の偏りや脆さ、付け入られる隙をストーリーに巧みに組み込んでいるのも魅力の一つです。
気づけばジェントル・ササキによる述懐という形の各章のOPとEDを心待ちにしている自分がいます。本当にクセになる言い回しなんですよね……。
なので、新章が始まるOPには毎回ワクワクしております。
これからも応援しております!
カクヨムで連載されていたのを少しずつ追いかけながら、タイトル通りの「ギリギリ」な二人の波乱万丈を追いかけました。正直言って、一部が終わってから更に面白くなるとは思いもせずーーーー語りたいことがありすぎてまだ完結とすら思えないくらいです。
ぼくにとってはWeb小説の教科書のような綺麗な文章で、このようなギリギリのハイセンスな下ネタを交えたユーモアを読んだ事は忘れられないです。
今なお参考にさせてもらっているし、これからもどこかでこの物語の言い回しやツッコミを思い出してぼくのこれからにも活かす時があるでしょう。
これから多くの知り合った人々にこの作品をオススメするためにも、レビューを使って要点をまとめておかなければと筆を取った次第です。
ハイセンスな言葉を用いたギャグとシリアスのバランス。
キャラクターの愛嬌や野次馬たちの一致団結したやり取りとツッコミ。
物語の開幕や締めに必ず妹にあてられた独白がジワる。
とりあえず、読んで欲しい!!
読んだら本当に面白いから!!
完結おめでとうございます!
そしてお疲れ様でした!!!!
この方の物語を読むのはこれで三つめ。まあ……よく毎度違うテイストで書けるものですよ。タグにもあるように『下ネタ』の『コメディ』なのですけど、同タグの小説群から頭一つ抜けているのじゃないかな。もちろん全てリサーチしてコンセンサス取ったわけじゃないですが、日にカクヨム小説を3~4作読みながらフォローしている小説も追っている僕から見て、少なくともこれに勝るコメディはなかったです。ギャグに徹した作品は数あれど、いわゆる「笑ってくださいね」的な笑いじゃなくて、『普通のことを、誰もが考える言葉で、絶妙な間と調整されたツッコミで笑わせる』プロのコメディアンのような、構築された笑いって言うのかな……それがもう可笑しくて。『上半身の折れ角』と『あれの反り角』を表現するのに、言葉の海の中からあんな単語を見つけだしてくるあたりが超好きです。ギャグにも振り切れていて、ストーリーや人物描写の方にも振り切れている作品なんてそうそう出会えません。『サイネリア・ファニー』って名前、一見なにか狙っている名前じゃないのに、よくわからないんだけどじわじわ来るんですよね。カンフー映画で「サモハンキンポーってあのルックスにその名前はずるいよ!」の感覚に近い。サイネリア・ファニー、ずるいです。
推します。
がっしりとした骨太さとほとばしる熱量を感じさせる、非常にハイテンションなハードボイルド系の現代ファンタジーです。
30歳童貞が魔法使いとしての才能を開花させ、魔法少女と一緒に街の平和を守るため悪を倒す。一言で言うと、そういう物語です。
一度扉を開けてしまえば、もうその世界が目の前に怒涛のように押し寄せ、あっという間に引き込まれていくので、ストーリーや登場人物たちの詳細な説明はここでは敢えて必要ないような……個人的に、そんな気がします。
コミカルで温かみのある世界観をベースに生き生きと描かれる登場人物たちや、躍動感のある戦闘場面。作品全体が高い熱量を持っており、圧倒されます。キレのよくちょっとエッチ混じりなコミカルさも大変魅力的。
物語の第3章まで拝読した感想ですが、この先もスピード感と爽快感のある面白さをしっかりと味わわせてもらえるに違いないと感じ、レビューさせていただきました。
どんなジャンルであれ、やはり物語を魅力的にする大きな要素は「熱量」だと、改めてそんなことを感じさせてくれる作品です。
登場人物たちのここからの活躍を、楽しく拝読したいと思います。
主人公としての素養と風格を持ちながら一流の企業戦士でもある佐々木氏は、仕事仲間となった魔法少女の不躾に晒された胸にまで常に会釈することを忘れない前屈みジェントルメンである。
彼の生き様に心を打たれるエピソードの数々に、私の中に棲み着く魔法少女は胸を高鳴らせ、彼が魔法使いとして覚醒するに至った清いままの肉パイプがいつ振るわれてしまうのかとストーリーから目が離せないまま、濃ゆすぎる掛け合いが迸る文章に呑まれていき、ついには、いつか自分も大人のお城に召喚されないかと夢見る三十路童貞の心となっていた。
コメディパートの表現が豊かで展開に飽きさせる事無く進み、軽妙ながら精巧な筆致による作者の優れた描写力に舌を巻き続けました。
これほど癖のあるキャラクター達を動かしながら、その魅力を存分に振り撒き続ける膂力にも脱帽です。
願わくば今後、魔法のアイドル・ピンキーMEGUのパワープレイの前に、うっかり童貞を失わないようにしていただきたいものです。
優良会社の会社員だった主人公は、三十を迎えても童貞だった。そんな主人公のもとに、組合からスカウトが来る。なんでも、三十歳過ぎても童貞な男は、魔法使いになれるらしい。主人公は組合に、タッグを組む魔法少女を紹介され、世界を守る正義の魔法使いとして、活躍することになる。しかしタッグを組んだ魔法少女はあまり戦績を残せておらず、主人公は魔法少女を支えながら戦うことになる。
主人公は魔法少女に問う。「諦めて、後悔はしないのか?」主人公の言う「後悔」には種類があった。「やらなければよかった」、「やっておけばよかった」そして、もう一つの後悔――。
主人公と魔法少女は、ライバルからの引き抜きや、悪の組織との対決、事故現場などの様々な苦難と戦いを通して、互いに距離を縮めていく。そんな中、魔法少女は決意する。後悔しないように、正しい魔法少女になると。
一方、海の向こうからマレビトという脅威が迫っていた。組合と組織が裏で手を組んで対処しなければならないほどの、脅威だった。主人公はコモンとギフトという力を武器に、一人マレビトに立ち向かう。次々に駆けつける魔法少女たちは間に合うのか⁈ そして主人公の運命は?
コメディタッチで描かれる、魔法使いと魔法少女の物語。
突っ込みどころ満載で、ハイテンションな仕上がりです。
是非、御一読下さい。
脱帽です。
冒頭からぶっ飛んでいて、色んな意味で超ハイテンションで物語が進行していき、その勢いが最後まで続きます。全編全展開全文章面白すぎました。
なんといっても際立つのは主人公ジェントル・ササキの尖り過ぎたキャラクター性です。それに付け加え、(合法の)お薬中毒の元魔法少女やパッシブで周囲の男性を前屈みにさせてしまう現魔法少女、主人公のせいで特殊性癖に目覚めてしまう悪のアイドルなど、ヒロインズも抜群に個性的で魅力的です。現エースの魔法少女の能力ゆえの悲しい境遇には色々考えさせられるものがあります。
奇抜な設定や類まれなるユーモアセンスによって紡がれる比喩表現と会話劇に目がいきがちなところですが、基礎となる文章能力も非常に高く、シンプルに小説として完成度が高いです。
バス停を背負って、なんていう文章は人生で初めて見たかもしれません。それに笑えるだけではない、マッチポンプ等の社会的テーマや胸躍る激熱展開の描写も見事でした。感動です。