衝撃の激熱サイココメディ

脱帽です。
冒頭からぶっ飛んでいて、色んな意味で超ハイテンションで物語が進行していき、その勢いが最後まで続きます。全編全展開全文章面白すぎました。

なんといっても際立つのは主人公ジェントル・ササキの尖り過ぎたキャラクター性です。それに付け加え、(合法の)お薬中毒の元魔法少女やパッシブで周囲の男性を前屈みにさせてしまう現魔法少女、主人公のせいで特殊性癖に目覚めてしまう悪のアイドルなど、ヒロインズも抜群に個性的で魅力的です。現エースの魔法少女の能力ゆえの悲しい境遇には色々考えさせられるものがあります。

奇抜な設定や類まれなるユーモアセンスによって紡がれる比喩表現と会話劇に目がいきがちなところですが、基礎となる文章能力も非常に高く、シンプルに小説として完成度が高いです。

バス停を背負って、なんていう文章は人生で初めて見たかもしれません。それに笑えるだけではない、マッチポンプ等の社会的テーマや胸躍る激熱展開の描写も見事でした。感動です。

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