【魔術・用語解説】

●夕能


 夕能の多くは女性であり、顔に赤い縦縞のペイントがされていることが特徴である。また、夕能は処女でなければならない。稀に男で童貞の夕能もいるが数は多くない。歳を取ることがなく、処女・童貞を失うか術に使われるまで死ぬことはない。体を刻まれようが、毒を飲もうが自然治癒する。


 また、切り刻まれた場合は赤いペイントによる加護か着ていた服もまた元通りになる。


倉匣わすれもの


 自らの普段は表に出したくないもの(記憶でも能力でも物でも何でも構わない)その中に封じておくことであり、それを使う際には倉匣わすれものに付いている無数のスイッチの中からただ一つ本物のスイッチを押す。

一度の使用につきランダムで場所が変わり、その場所は使用者にのみ倉匣わすれものと繋がった管に流れる知的流体により共有される。


 倉匣わすれもの自体は、木の板で作られた正方形のリュックに無数のボタンと一本の管が付いているような外装をしている。


●影抜き


 用法は二つあり、影を抜くことにより相手の動きを制限することにより時間を稼ぐ方法と、相手の影を抜くことにより自分の思い通りの操り人形にする方法。どちらも専用の魔術用具を使用するが、特別な力はいらないので誰でもすることはできる。


 前者の方法は広範囲の人間に一気に使用できるが、後者は1人ずつで複数人にする場合は時間がかかる。


 尚、後者の場合は自分が影抜きされたことを認識する事ができない。尚、どちらにしろ日光を浴びると体が崩壊する。


● 影縫い


 影抜きから派生した術であり、影を抜くことができるならば影を縫い付けて相手の動きを止めることもできるのではないかという発想から生み出された。


 専用の魔術道具である エッグ を使う。対象の周囲に最低四つの卵を配置し、その範囲の中で影を持つ対象の身動きをとれないようにする。


 卵の数が多ければ多いほど力は増すが、反面術の最中は術者の魔力を延々と食い続けるので、黄念蟲により魔力を増幅しているような普通の人間は一時間と持たず死に至る。長時間の使用は本来危険である。


●身代守


 影抜きなどは本来範囲内にいる者は術者以外効果が適応される者である。だがそれを適応外にする方法が存在する。それこそが身代守に術者の体液を付着させる方法であり、これを所持している限り効果は適応されなくなる。


●禁忌対策本部

 神秘的技術の悪用、一定の規則を破ったもの……禁忌に対する討伐行為や対抗策などを練る政府の機関の一つ。非人道的実験が行われていると言う噂もあるが、一般市民はその真偽を確認する術がない。


●砂の海


 いくつかの都市を残し陸地の町は殆どが砂の中に消えた。都市のある場所は砂の海の浸食に耐えうる地盤があるらしく現在も研究中である。砂の海は殆どのものを飲み込み、溶かし、取り込むものである。


 これ以上建物が壊れることのないように今では侵食を免れた樹脂製プラスチックの型により作られた砂の煉瓦が建築に多用されている。一番安価で物持ちが良いから…というのも理由である。


●陸砂両用車


 水陸両用車のように砂の海と陸地を渡れる優れものであり、主に禁忌対策本部と妖術庁で使用されている。詳しい仕組みはここでは解説しない。


●脳機


 夕能というある状況下では不死である存在の死から体を再構成する際に生じる力を本人のみならず周囲に向けることにより驚異的な力を持つ対禁忌戦闘兵器。


 脚部に収納する巨大電池により動くが初期は圧倒的に活動時間は短かった。活動時間を伸ばすために脳機の後方に接続し、乾電池の交換と遠距離射撃砲の役割を兼ねる『ドーラ・ザム』が登場する。その姿は皮を透明にした人間の男性にそっくり。ただ、顔の半分が脳味噌になっていること以外は。


 初期の脳機は外部から動かす遠隔操作型であったが、この場合遠距離であることによって見つかりにくいが、敵に見つかれば操縦者は操縦中に無防備になるので簡単に殺されてしまうという欠点があった。


 これはのちに内部に乗り込む形に改良されたが、装甲も攻撃が通りにくくはあるが遠距離よりマシである、というレベルに過ぎない。



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