Extra ——さあ、キャンプの続きをしよう。

鶏肉の水炊き寄せ鍋キャンプ風

 キャンプから帰り、荷物の引き揚げも終えた私は、クーラーボックスと共にキッチンに立っていた。 

 昼食とリベンジを兼ねて、鍋である。

 まずは土鍋をコンロにセット。

 続いて、ボックスから切りっぱなしの野菜と肉のパックを用意。

 ドリンク類は冷蔵庫に移送した。

 ……保冷材はまだ生きていたし、加熱すれば大丈夫と信じることにする。

 水を600mlほど注ぎ、鶏肉を投入して点火。

 そこまでアクは出なかったので、沸騰したころを見計らって野菜を追加し更に煮込む。

 2回目の沸騰を確認し、とりあえず昆布だしを50ml投入した。

(ちょっち……薄い?)


 10mlを追加で投入、再度味見をする。

(いいけど……きもちだけ濃い目が好きかな)

 最後に小さじで1杯追加し、また少しかき混ぜる。


(うん、いいね!)


「できた!」


 鶏肉の水炊き寄せ鍋キャンプ風、完成である。

 だしの香りが鶏肉や野菜のだしと絡み合い、胃を刺激する。

 お腹の虫も早くよこせと騒がしく、テーブルまで運ぶ数秒が辛かった。


「いっただっきまーす!」


 まずは、ネギ!

 うーん、甘い! いいね! 美味しい!

 キャベツも素晴らしい煮込み具合!

 ニンジンは少し中心部分が固いが、十分味わえる。

 そして鶏肉は……。


「はあんおいひい~! 良いわこれぇ~! ひゃ~ん!」

「お姉ちゃん、どうしたの……」


 おっと隣で海月ちゃんが引いているぞ! でも今回は気にしない! ところで今日も可愛いな! それでこそアタシの海月ちゃんだ!

 でもお姉ちゃんが楽しみにしてた寄せ鍋だからね、アンタにはあげないもんね!

 ……そろそろプラグ深度がまずいわ、引き留めないと。

 少し落ち着いたところで、冷蔵庫の中身を確かめてみた。

 さっき取り出したばかりのコーラと、サワーにお気に入りのノンアルコールビールが1本ずつ。


(飲んじゃえ! ノンアルだけど! びーるびーる!)


 客観的にみるとただの酔っ払いと思考回路が似ているような気がするが、いまはキャンプ飯を楽しむ、ただそれだけに尽きるのだ。

 早速缶を開けて、一口呷る。


「うまい!」

「アンタどうしたの帰ってきて早々……?」


 母もなんか引いているが、もう私の頭は寄せ鍋である。


「んー、なんでもなーい」


 視界には寄せ鍋だけである。

 私と寄せ鍋、それだけが私の世界を構成するのだ。




 ******




 鍋が空っぽになったところで、またキッチンへ。

 残った具材を投入し、また煮込む。

 そして冷蔵庫へ引き返すと、取り出すのは〆のうどんである。

 そう、うどんだ。

 UDONである。

 う・ど・ん!!

 一旦火を止めてUDONを1玉投入し、タイマーで4分ほど測りながら攪拌する。

 アラーム音が鳴るとほぼ同時にタイマーを止め、鍋を再びテーブルへ戻す。

 小皿に盛ってフーフーと冷まし、ネギと一緒に口へ運ぶ。

 グレイトフル。いやブラボー。むしろブラヴィッシーモ! ハハッ!

 ここから先はほぼ本能だけでうどんをかきこむアマゾネスと化したので、食べ終わるまでのことはあやふやであった。


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女子大学生が、車でソロキャン行ってみた。(#JDソロキャン) 並木坂奈菜海 @0013

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