第5話 ソロキャンプ用品が、意外と足りない。そして予算も。

 翌日の私は、また午後から車を出し、例のモールへと直行した。

 もちろん、書いておいた買い物メモも一緒である。


(まずはカセットボンベでしょ……カセットコンロ売り場だね)


 3本で500円と妙に高かったが、家にあるものと同じだからという事でカゴに入れる。


(フライパン用に蓋があると良かったよね)


 少し移動してフライパンコーナーへ。

 使ったクッカーにはサイズの表記がなかったが、メジャー計測で18cmということは判明している。

 ガラス窓付きのふたを探してみると……


「えっ、売り切れ!?」


 まさかまさかの「入荷待ち」が値札の上に。

 しかも日付は4月1日である。


(ええええ……なんでよ……需給バランスどうなってんのよ……)


 仕方ないので、窓なしタイプを買った。

 まあ、窓付きでないと都合悪いようなのは作らないし、むしろ虫よけとかそっちの問題があるよねと説得力を持たせた。

 残るは完全にキャンプ用のグッズである。

 流石にボンベを平面駐車場の車には置けないので、そのままWILD-1へ向かった。




 ******




 まずはコンパクトバーナー用の予備缶である。

 ランタンコーナーで一緒に売られていたので、すぐわかった。

 メーカーは家の古い缶と全く同じものを。

 そこで、私はあることに気がついた。


(こっちの方が……ボンベの値段が安いですって!?)


 キャンプ専用で使われるようなボンベ、通称OD缶(OutDoorの略だという)の隣には、よく見かける細長いCB缶(CassetteBombe)が売られていた。

 シール式の値札をみると、隣のホームセンターより100円ほど安かったのだ。


(先にこっちを見るのが正解だったとは……この城山加奈、不覚であるッ!! むしろ遺憾!! 誠に遺憾である!!)


 この差額は勉強代と深く心に刻み、クッカーセットのコーナーへ向かう。

 やかんとひとくちに言っても形やらサイズやらお値段やら色々あるので、値段優先に見ていく。


(0.9Lで3000円ちょい……値段高いしそんなに要らないかなー。こっちのモンベルは、ちょっと平べったいけど0.6Lだからいいかな。値段も手ごろというか、そこそこな感じ?)


 というわけで、1900円でお買い上げと相成った。


(あとはマットか……)


 こちらは展示販売もあるので、早速テントに入って転がってみた。

 コールマンのインフーレーターマット(勝手に空気が入るスグレモノ仕様)は、固さ良し厚さ良しサイズ良しと、流石というクオリティであった。


(でもお高いんでしょう? ってやっぱ高いなおい!! ダブルとはいえまた5桁ですか!!)


 ダブルとシングルがあったが、どっちにしろ大幅に予算外である。


(向こうじゃ輸入品エアベッドが3000円だったよね……あっち買ってモーターポンプだけ買うか)


 買うといってもエアベッドと一緒に売っていたポンプは電池式の1種類のみだったので、何も考えずカゴに突っ込んだ。

 もう一度ホームセンターへ引き返し、ダブルサイズのエアベッドを購入。

 前回のショッピングと合わせて、合計およそ3万円である。

 2か月後のクレジット請求を想像して、少し震えた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る