女子大学生が、車でソロキャン行ってみた。(#JDソロキャン)

並木坂奈菜海

0日目 そうだ、ソロキャンプに行こう。

第1話 事の発端、全ての始まり

 「ソロキャンプ、行ってみたいなあ」


 それはキャスの雑談で私が発した、何気ない一言だった。



「テントあるし、コンロあるし、大体の道具は揃ってるんですよね。免許もあるからあとは車に積んでレッツゴーするだけ、みたいな」

「ああ、いいじゃん。1回ソロキャンやってみたら? そんなに持ってるならもう行けるだろうし」


 キャスの話相手だった「ししょー」(私が勝手に呼んでいるだけの、単なる愛称である)は、自身がキャンプに関するweb小説を書いているせいか、簡単ながらもアドバイスをくれた。


「チェックインが早くてチェックアウトが遅いところ行けば、1泊だけでも結構楽しめるんじゃない? 初めてなら準備片付けにも時間が必要だろうし」

「なるほど」

「ていうか、キャンプ道具あるのに使わないのは損だよ」

「今度、探してみますね」




 ******




 キャスを終えた後、立ち上げたままのブラウザで近くのキャンプ場を探し回る。

 料金を見つつ、あーでもないこーでもないと10枚ほどタブを開いた後。

 あるキャンプ場の、特別プランが目に入った。


『ソロ泊プラン、1500円から』

(あ、ここいいな)


 サイトをブックマークして、1日を終える。

 ここまでは単なるお遊び、興味本位でしかなかったのだが。

 私の行動力というか、フットワークは己の想像を遥かに上回っていることを、後になって悟った。

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