もふもふ猫人な妹(AI)とさまよいあるく湯道楽 ~完全スキル制VRMMORPGで入浴実績全達成目指す~
天野平英
第1話
第1話-1
―― 01 ――
「兄さん大変です!」
ふんすふんす僕に喋り掛けてくる妹ちゃん(AI)。
かわいい。ジッサイかわいい。
ネコのおミミとシッポをぴんと立てて詰め寄ってくる妹ちゃん。
めっちゃもふい。わしゃわしゃ頭を撫でてあげたい。
「兄さん! 聞いてます?」
僕の正面に躍り出て来て、スッと自分のキャラクターステータスウィンドウを空中に展開して、ある項目をビシッと指さした。
なんていうか、その仕草、ポンコツかわいい。
二回りほど背の低い妹ちゃんは必死に僕を見上げていた。
とても頬笑ましくて、口元が緩む。
頭のてっぺんでふよんふよん揺れているネコのおミミなんかホント胸きゅんもので、一緒にふわふわ揺れてるシッポは思わずつんつんしたくなる。
さすが僕の妹ちゃん!(僕自身が造形した)。
至高のかわいらしさである。
「兄さん。いい加減にして私の言葉聞いてもらえます?」
「あぁ、ごめんね。それで、なにが大変なの?」
妹ちゃんはステータスウィンドの一項目を再度ビシッと指さした。
「清潔度が! 一桁なのです!
うん。体のほとんどが毛に覆われてるもんね。
体臭とかちゃんと気にしないといけないよね。
NPCが嫌がって会話してくれないとかあるかもしれないもんね。
「そっか。それは大変だ。近くに公衆浴場とかあるかな?」
「ちょっと待ってください。今確認しますから」
妹ちゃんはマップウィンドウを表示させてウンウン唸りだした。
頼めば、こうやってなんでもしてくれる妹ちゃんはとっても健気だ。甘やかしたくなる。
はぁぁぁホントかわいい。
妹ちゃんの容姿は僕が何十日、何百日と掛けてこだわりにこだわって造形した会心の自信作。
このゲームのキャラクターアバターエディットはスライダーを左右に動かすか、スライダー横に表示されている数値を直接手打ちで変更するかの二択で、変更できる項目が多岐にわたる。
髪・顔・頭・肩・胸・腰・腹・尻・腕・太腿・脹脛。大枠だけでもこれだけあって、この大枠から更に枝分かれして本当に細かく設定できてしまうのだ。時間がかかってしまうのもお解り頂けると思う。
妹ちゃんの人種は
しかも足のカカトがちゃんと高くなっているケモノ足に造形されているのだ。掌はもちろん肉球がついているのだけどギリギリ人っぽい手の骨格で物を持つのは困らないという塩梅。とってもポイントが高い。
胴体はというと、背部はそれはもうもっふもふだ。けれど胸部、腹部、股、臀部はすべっすべな素肌が見えている。たぶんアバタークリエーターのこだわりなんだろう。その意志やヨシ。
だってとってもえっちだ。
手足や背中はもっふもふなのに前半面は完全に素肌で、隠さないと恥ずかしがるのだ。えっちえっち。
あとおっぱいはふたつだけだ。
くりかえす。おっぱいはふたつだけだ。
ケモナー諸氏には悪いけど「ケモノ」じゃなくて「
「あ! ありました。こっちです。ついてきてください」
ぼぅっと妹ちゃんを眺めながらしょうもないことを考えていると、声を上げて歩き出したので慌ててうしろを付いて行く。
今の妹ちゃんの格好は初期衣装の【使い古された民族衣装:獣人】というアイテムでグラフィックとしては黒染めされた革製のサロペットスカート一枚。
民族衣装というだけあって
もっふもふでまっしろな獣毛に覆われた妹ちゃんの背中を眺めているとなでなでしたくなってくる。
そんなことを思いながら、飽きることなく妹ちゃんの背中を眺め続けた。
「兄さん、つきましたよ」
「おぉ、相変わらず誰もいない」
しばらく歩いて辿り着いた公衆浴場には誰ヒトリ、ヒトがいなかった。
まぁ、街路に面していて目隠しの仕切りすらないオッピロゲな浴場だから仕方ない。
それに、こういう浴場はプレイヤーしか使わないし、そもそもこの日本鯖はプレイヤーが少ない。
これまで僕は浴場で他プレイヤーにすれ違ったことすら一度もない。
「さぁ、入りましょう」
妹ちゃんは何のためらいもなく浴場に足を踏み入れた。
その瞬間、どろんと煙が妹ちゃんの身を包んで全裸になった。
ドエロい。
やっぱり僕の妹ちゃん(AI)は最高だぜ!
「兄さんも早く入ってください」
急かされて僕も入浴する。もちろん全裸だ。タオルなど邪道。
このゲームは入浴時、装備した浴衣(といいつつほとんどが浴衣ではなくタオル)がアバターファッションとして反映されるのだけど、課金アイテムモールに置いてある【裸の王様浴衣】を装備するとなんと下着姿で入浴できるのだ。
更に課金アイテムモールに置いてある【前張り】を下着欄に装備しておくと乳首と股下にテープを貼ってあるだけという極めて全裸に近い状態で入浴できちゃったりするのだ。
ついでにいうと、この装備二つは課金モールにおいてあるものの、ゲーム内で入手できるポイントで購入できるのでとっても親切。
なお、フィールドにある公衆浴場には洗い場なぞないことを補足しておこう。
「あぁぁぁ、いいわぁぁぁ」
この公衆浴場のお湯は少し熱めで、とても染み入ってくる。
こういうふうに入浴体感できるのがダイビングシステムのVRならではだと思う。
そして、こんな気持ちいいお湯につかりながら妹ちゃんの裸体をじっくり眺められるのは本当に最高だとつくづく想う。
身長145センチ、むっちりふともも、すべすべおなか、推定Fカップおっぱい、丸顔童顔、ぱっつん前髪にゆるふわ二つ結びのヘアスタイル。
ひたすらに好みを追求した至高の女体が目の前でくつろいでいる様子はまさに極楽。
「兄さん、いつ出ます?」
「もうしばらくつかってるぅぅ」
清潔度は入浴状態になった瞬間に全回復するけども、せっかく入ったんだからしっかり堪能したいのだ。
そして僕はまた妹ちゃんをぼけっと見惚けた。
「しかたないですねぇ」
僕個人の感想だけど
背中、腕、脚はもふもふ毛に覆われているのに首から、おむね、おなか、おしり、にかけてすべすべ素肌なのだ。
それは男性も同じなんだけど、まぁ、それはおいておこう。
とにかく
だからいつまででも妹ちゃんを眺めていられるし、隙あらば撫で回したい。
オンラインゲームだから運営がログ取ってるだろうけど知ったことではない。
「あぁぁぁぁぁぁ! 妹がかわいいんじゃぁぁぁ!!」
「そんなこと言ってないでそろそろ次の目的地決めてくれませんかね?」
ジト目でそんなことを言い返してくる妹ちゃんもやっぱりかわいい。
妹 is 女神。
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