コラム)2014年8/23 横浜線205系 完全引退

今日8/23で、JR横浜線を26年間走ってきた205系電車が運用を離脱、引退した。


最後まで残っていた横浜線用205系の第一編成H1

編成には、引退記念のありがとうヘッドマークを8月に入ってから掲げて走行していた。

最終日のラストランには、横浜線の花形運用とも言える根岸線直通の快速 大船行。

残念ながらラストランは相当な混雑が予想されていたこともあって乗ったり見に行ったりはしなかったが、その後YouTubeなどで確認した限りでは、各駅や沿線では撮影者が集まっており、さらには終着駅の大船駅では到着後車庫に入る205系電車を見送るファンの人たちでごった返していた様子。

たかだか人を運ぶための機械に過ぎない電車に、まるでアイドルが引退するときみたいに「ありがとう」や「お疲れさま」などと労いの言葉を掛け見送る様子を眺めているうちに、ここまで最後のときを温かく見送ってもらえる機械が他にもあるだろうか? そう感じてしまった。


今回見送りに来ていた人の中には、日頃から熱心なファンだけじゃなく、普段は鉄道などに興味を持たない人もいたはず。

ここ数年、電車の引退や運用離脱、ラストランというものをよく見かけてきた。昨年3月15日の東急東横線と東京メトロ日比谷線の直通運転の終了によるメトロ03系の東急線内乗り入れの消滅や直通用車両の東急1000系と、東横線の古参車両の9000系の引退である。このときも、最終日が迫る中、ファンに混じって普段は関心がないであろう人たちも携帯のカメラで電車を撮影していた。


それだけ、鉄道とその車両というのは特別な乗り物なのだろうな。それまで当たり前のように走ってきては乗り込み、当たり前のように下車していた。その当たり前が当たり前じゃなくなるとき、人の心というのはどんな“もの”に対しても惜別の念を抱くのだろう。 だから、多くの人が見送りに出た。


今回、物心ついた頃から当たり前のように長年乗ってきた横浜線205系電車が引退するに当たって感じた、人と電車との繋がり。そんなものを垣間見れたように思う。


横浜線205系。

26年間お疲れさまでした。ありがとう。

譲渡先のインドネシアでの活躍をお祈り致します。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る