~①湯檜曽駅~

08:29

この旅一つ目の山岳トンネル内旅客駅、群馬県みなかみ町にある湯檜曽駅に降り立った。


行き過ぎる列車には、水上駅で乗せた乗客の大半が乗車したままだった。

それもそのはず。乗客の多くがスキーやスノーボードをしに越後湯沢や南魚沼のスキー場へ行く乗客だったからだ。この駅で下車した人は、自分を含めても3、4人だったと思う。


湯檜曽駅の新潟方面行きホームは、1967年開通の新清水トンネルの中にあり、新清水トンネルに入ってすぐの場所に設置されている。


東京方面行きホームは地上部分にある。

これは、上越線建設当初、群馬県と新潟県の越境用のトンネル(清水トンネル;1931年開通)を作る際、ループ線をトンネル前後に設けて高度を稼ぎ、なるべくトンネル長が短くなるように設計されたためで、トンネル前後の地上部分に駅を設けたためである。戦後になってから輸送力増強のために複線化する際、総距離を短縮してループ線の無い直線的な移動が出きるようにトンネルを設計し、完成したのがこの新清水トンネルであるが、最初の線路よりもトンネル区間が長く、やむなく途中2駅が新清水トンネル内に設けられたことによる。


トンネルを出て湯檜曽駅の外へ出た。

周辺は湯檜曽温泉のこぢんまりとした温泉街だ。


さて、ここからは次列車の時刻の関係で徒歩で隣りの土合駅まで向かう。

というのも、なにしろ一日5往復しか旅客列車が来ない区間。最初の一本はここへ来るのに使って行ってしまったから、残る四本で次に来る電車をこの駅で待ち、隣りのトンネル駅、土合駅へ向かい、更にそこで降りて次列車を待つと、相当な時間のロスになってしまうため、徒歩で移動出来る場所は歩いて移動する方針を取ったからである。


Googleマップのナビ情報によると、湯檜曽駅→土合駅までは4.4㎞で64分とのこと。湯檜曽駅を出たのが08:34で、土合駅での列車時刻は09:56なので十分な時間がある。


ただ、沿道には雪がかなり残り、途中の湯檜曽温泉の足湯は雪に埋もれて休止状態。更に国道でも歩道などなく、僅かな路肩があるのみ。車の通りは少ないものの、山道で曲線も多く見通しも悪い上、スノーシェルターをくぐる箇所まであるので、一気に抜けてしまおうと思った。

それでも、沿道には美しい雪景色の数々があり、湯檜曽川の爽やかなせせらぎに耳を傾けながら自然の景観に癒されて、途中の雪解け水で汗ばんだ顔を洗っては、土合駅目指して歩いた。


結局土合駅にはコースタイム2/3の39分で09:13に到着した。湯檜曽駅前を09:08発で土合駅前09:13着のバスもあったが、バスに追い越される事もなく、バスよりも早く着いてしまった。

鉄道旅は基本的に列車に乗ってるだけのことが多くなるので、旅の始めの良い運動になった。


谷川岳登山の玄関口の一つである土合駅。

この駅は知る人ぞ知る名所になっている。



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