第14話 書きたいものを書く?ウケそうなものを書く?どちらも間違いだ!

本来画像があるところを、文字で代用してるので一部分かりづらくなっています

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「ぐぬぬぬぬ……あ〜頭が割れそうっす!」


 またか。

 今日もまたほむほむ君は、新たなる悩みにぶち当たっているようだ。


「どうした。頭が減ったのか?

 私が食事でも作ってあげようか」


「違うっす!なんすか頭が減るって!減るなら腹っすよ!しかも師匠の食事ってあれっしょ。具のないボンカレーとかっしょ。ライスすらないし。超いらないっす」


「具と米まで作るのは面倒だ。ゴミも増えるし。体には最低限いいだろう」


 多分。


「あんなん食事への冒涜っす。しかも温めてすらない」

「レンジの前で待つの面倒だし。ボンカレーは冷めてても私的には食べれるぞ」

「食べれる(美味いとは言ってない)っすよね!?俺的には皆無っす!師匠そのうち体壊しますよ」

「サプリ食ってるし。外食も多いから平気だ」

「指摘された飲み方じゃないと効果弱いっすよ!

 つーか、そうじゃなくてっすね!」


「小説の悩みだといいたいんだろう」


「なんだそれ!わかってるなら最初からそう聞いてくれっす!なんでそんなことを!」



 荒ぶるほむほむ君。まあまあ。



「つい」

「何も理由がなかった!」

「人生そんなもんだ」

 

 そう返し、ふぃ〜と電子タバコの煙を虚空に放つと、質問をなげかける。




「……で、今回はなんなんだ。珍しく自分で考えてるようだが」




 そう。こんだけほむほむくんが思い悩むのは珍しい。

 大抵は悩み発生=即質問という感じなのに。

 今日は相当自分で考えていた。いい傾向ではあるが、ちとうるさい。


「いや……その。うーん」


「なんだ。歯切れが悪いな」


「いやその……。いや、やっぱ聞くっす!

 師匠!実は……俺は今、小説界最大の謎にぶち当たっているっす!

 でも、これは自分で考えなくてはダメじゃないか?という感じも

 あってっすね!どうしたもんかと!」


 なるほど。今までの悩みの中でも、割りと難しいほうだ。

 と言いたいらしい。

 さっさと先を言え、と手を振って促す。


「えっと、新作のネタを練り込んでるんすけど……

 ウケなさそうなのに、書いていいのか?って悩みっす!」


 あー……。そのネタか。確かに、これは永久的な課題だな。

 普通の商売でもいつまでも悩むはめになるネタだ。 


「なんか、俺最近、ホラーゲームにハマったんすよね!

 正確には、ホラー実況っていうか!

 ああいう風に、俺も人を超ビビらせたいっす!

 で、これを俺もやりたい!ってなったんすけど……

 ホラーって、なろうじゃ受けないじゃないすか」


「そうだな」


「だから、どうしよっかなーと。

 んで、もう一つ案もあるんすよね。

 最近、悪役令嬢とか婚約破棄流行ってるじゃないすか!

 しかも文字数少なくて、新人でもがっつりポイント貰える!

 あれなら俺も跳ねれそうじゃないすか!

 それに、あれぐらいならなんか書けそうなんすよね。

 でも、言うほど書きたいわけじゃないし……。だからどうしようかなって……」


「ふむ」


「さらにいうと、まだあるっす!

 俺TUEEEの、復讐ものっすね!ただ……。

 なんか余りにも使い古されてるような気がして……今更跳ねれるのかどうかというと。うーん」


「つまり『書きたいものを書くべきか、ウケそうなものを書くべきか』ということか。

 ふむ。なるほど。確かに深い悩みだな」


「そうっす!

 これぞ永遠の課題!どうっすか?

 さすがの師匠にも難問間違い無し!

 ……といいたいすけど、絶対『ウケそうなほう』っすよね!知ってたっす!」


「ふふん?そう思うか?だが、違うぞ」



 なるほど。悩んでるくせに私に聞かなかったのは、答えが分かりきってると思ってたからか。

 でも、書きたいものはあるし……的な感じで悩むと。

 だが、私はそこまで、需要のみで商売を考えてるわけではない。


「えっそうなんすか?てっきり、師匠って『売る』とかを大事にしてるから、売れそうなもの作るのが大正義!っていうかと思ったんすけど」


「そして、そう思ったから私には相談しづらかった……か?」


「うぐっ……!な、何故それを……やはり師匠はエス」

「それは勿論」


 アホなことをまた言い出したセリフを遮って語る。


「それは勿論……商売をやるには売れなきゃいけないし、需要は大事さ。

 だが、商品には質も要求される。

 いくら需要に答えていても、質が低い三流商品などどうやったって売れはしない。

 そして、質はやる気に大抵比例するものだ。

 書きたくないモノ書いて、いいものが出来るか?」


「それはそうっすけど……じゃあ、書きたいの書くのが正解!って派すか?」


「が、とはいえ、無反応のものを書いてもしょうがない。それもまた事実だ」


「まさかのどっちも不正解!?」


「どっちかだけ、というならそうだな。

 まあ、確かに難しい疑問だ。コピーライターでも当たる壁だな。

 ちなみに、なぜ難しいか分かるかい?」


「ええっ、な、なぜ難しいって……。難しいから難しい、とか?」


「なんだその答えは。それはな。

 今ほむほむ君が悩んでいるのは


『良い商品とは何か?どうすれば良い商品になるか?』という根源の問いだからだ。


 影響力がとてつもなく大きい問いを、ほむほむ君はしている。だから、安易に答えが出せなくて、悩んでいるのさ」



「良い商品とは何か!?なんか俺が一気に哲学的な人間に!

 書きたい物するか、読まれそうなものするかって、そういう問いだったんすか!」


「そうだよ。商売的な思考を挟まないなら、書きたいものやればいいだけじゃないか。

 読まれそうかどうかなど、知った事か。そうだろう。

 自己満足の『作品』ではなく、皆にも受け入れられる良い『商品』を作りたい。そうありたいと思うから、悩むんだ。

 『商品作り』というものをしっかり考えてる証拠だよ。

 私の弟子としては、良い傾向だな」


「おっ、ま、マジっすか!へっへっへ。

 じゃあ、早速っすけど、どうすればそれが出来るか、教えてほしいっす!」


「ま、良いだろう。この手の悩みはよくあるからな。片付けていこう。

 題して『良い商品の作り方』だな」


「楽しみっす!」



◆◆◆



「つか、コピーライターって商品も作るんすか?

 売り文句だけ考えてるのかと思ってたっす!」


「スタンスによるが、よくあるぞ。

 本気で『組む』場合は、『作る』の時点から手を組むこともある。

 経営理念に口を出すこともあるな。

 効率を考えるなら、作ってから売るのを考えるより、

 売りかたを考えてから作ったほうが、圧倒的に効率的だからな」


「確かにそっすね」


「作ったあとに売り方を考えるなんて、ナンセンスってことだ。

 お祭りの屋台で持ち運べないものを作るかい?

 しゃぶしゃぶ作って『売るのは屋台だけど、椅子もないし、お客は長く立ち止まりもしない、どうやって売ろう』とかあるかい?

 『作る』と『売る』は本来セットなのさ。

 だからコピーライターも商品製作には割りと口出すよ。

 早い段階から組めばだが」


「はえ〜なるほどっす」



「では、改めて商品製作の時にどう考えているか?

 商品作りは『作りたいものを作る』か『求められているものを作る』か、どちらか?だったな。

 だが、良い商品を作るには、これにはまだ視点が欠けている。

 それだけの問いでは足りん。だからこそ悩むともいえる。

 2つだけで完成するものではない」


「え、マジっすか?その悩み以外にも他に考えることあるっすか?

 んむむ?うーん……」


 また袋小路に入る火村君。



「ふむ。そのまま考えてもらってもいいが、らちがあかんな。先に答えを言おう。

 答えは……こうだ!

 題して『ビジネスを作るための3つの円』!」


 ババン!と、部屋にあるホワイトボードに図を書いていく。


◯得意 

◯好き

◯需要がある


「おおッ!

 あ、なんかこれ、見たことある!みたことあるっすよ!

 そんで、この3つを重なるところをやりましょう!〜的な!」


「そうだろうそうだろう。

 よくあるよな……。

 だが……こうだ!」



  ✕ 全部ウソ!




「いきなりの手のひら返し!

 ええっ!マジすか!

 さっきの結構納得いくっすけど!」


「そう思うだろう?

 だが、それではまだ足りないんだ。

 あれは完成ではない。

 本当の円は3つではない……

 4つなのだ!」


「4つ!?」


「そうだ。4つだ!

 本当の答えをだそう。

 コピーライター的なな。

 本当の答えは……こうだ!」


 ◯出来る(できそう)

 ◯好き

 ◯ほしい(他人)

 ◯ほしい(自分)



「あ、下になんか追加された!

 え、他人と自分の欲しいって別なんすか?

 つか、やりたいとほしいも別?」


「別だ!

 そして……それを小説家向けに直すと、こうだ!」


 ◯書ける(書けそう)

 ◯書きたい(作者として)

 ◯読みたい(読者として)

 ◯ウケそう(市場に)




「あ、なんかわかりやすく!

 これであれっすか!中央の赤いのをやれと!」


「そうだ!

 この4つを満たすものを『黄金の商品』とでも名付けよう。

 結論を言う。


『可能な限り全てを満たし、黄金の商品を目指せ!』


 あるいは、満たすようにアイディアを調整していけ。

 これが、良い商品の作り方だ」


「ぜ、全部……!全部すか!」


「そうだ。どれ抜いても大体きついぞ。

 チェックリストに近いな。

 ただし、0か1かではなく、点数性で考えてほしい。

 0〜100点という感じだな。


 Q1:書けそうか?

 Q2:書きたいか?

 Q3:読みたいか?

 Q4:ウケそうか?


 これらに全てで高い点がつくなら

 最高の商品であり、幸福な執筆になるだろう」


「な、なるほどっす……!

 確かにこれは最強っすね!

 書きたくて、書くスキルがあり、自分も欲しくて、流行にも乗っててってことっすよね!?

 そりゃ楽しい上に無敵に違いないっすよ!」


「その通りだ」


「でも、そんな上手くいくんすか?」


「最初から揃ってればいいが、そんなことはないな。そうでない場合のラインはこんなところだ」


 ホワイトボードに、キュッキュッと追記していく。

 


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 『黄金の作品にするための4つのチェック』

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  4つ……即執筆すべし

  3つ……少し調整すれば行ける行ける

   (断念の壁)

  2つ……実にムズい。苦難の道を覚悟せよ

  1つ……諦めたほうが速い



「え、2つで断念なんすか?」


「まあな。とはいえ、これを言われただけではよくわかるまい。

 誤解を防ぐためにも、1つ1つ少し解説していくぞ。

 なるだけサクサクやるが、一部長くなるかもしれん」


「ういす!お願いするっす!」






 ほむほむ君の態度をうけ、


  Q1:書けそうか?

  Q2:書きたいか?

  Q3:読みたいか?

  Q4:ウケそうか?

 

 を改めてボードに書く。



「まず1番目。『書ける』あるいは『書けそうか?』だが……。

 ぶっちゃけていおう!

 はっきりいって、これが【一番大事】だ!」


「えっ、そうなんすか?マジで?

 全部同じ価値〜とか、ウケそう、とかじゃなく?」


「そのとおりだ。

 まあ、説明しよう。

 これは『質』や『執筆速度』に関わる問いだ。

 当たり前だが、書けないものをいくら考慮してもしょうがない。

 だが、非常に見落とされがちだ」


「ん?ちょっといいすか?確かに、どんだけ書きたくても、書けないと意味ないのは分かるっすけど……。

 でも、大半のものは書ける気がするけどなあ……」


「ふむ。この場合の『書ける』とは『日本語として書ける』とか『写せば書ける』という意味ではない。

 『それなりの質で独力で書ききる事ができる』という意味だ」


「あーそういうことっすか。なるほど。じゃあ、書けそうにないのって確かにあるっすね」


「ほむほむ君でいうと、書けそうにないなー、で何が思い当たる?」


「あー……。そうっすね……。

 ふむ、俺でいうとガチガチのロジック型のミステリすね!

 あーいうのはとてもトリック思いつける気がしないっす!

 万一トリックが思いついても説明とか、構成が面倒そうで組み立ても無理っす!

 人の配置とか時間スケジュールとか……出来る気しないっす!」


「逆に、書ける、って思うのは?」


「テンプレTUEEEとかっすね!ああいうのは、スラスラってやれるって思うっすよ!」


「ちなみに、これは本質的には『スキル』というより『才能』を示す。

 私の持論だが『やったことがなくても、書けそうって思うもの』は、大抵その方面に才能を持っている。

 『書けそう』は『書ける』に転化し『得意』になる可能性が多いに高い。

 そういうものはやるべきだ。

 つまり、ほむほむ君は、テンプレTUEEを書く、才能がある可能性が非常に高い」


「え、でもあれって誰でも書けるんじゃ?皆そう言ってるし」


「そう見えるか?実はそうでもない。テンプレだろうが『書けない人には書けない』。

 全く執筆のイメージが湧かないのだ。

 肉体の才能と違って、脳の才能はハッキリとは目に見えない。

 だから、みんな等しく才能を持っていると思いがちだ。

 だが、これは明確にNOだよ。脳にも個性はあり、才能はある。

 書けないものは書けないし、向いてないものは向いてない。

 君は、星新一という作家を知ってるかい?」


「星新一……?いや、初耳っすけど」


 クッ……嘆かわしい。確かに古いけど!国語の教科書にも乗ってたりするのに!

 短編作家の原点にして頂点なのだぞ。

 

「……短編の天才。いや、神といってもいい。そんな作家だ。

 もう50年近く前の人で、故人だがね。

 短編作家といえば、星新一。星新一といえば短編。

 短編は星新一がつくり、そして出し尽くして終わったという人もいるぐらいの伝説的作家だ。

 短編における手塚治虫氏のような立ち位置といってもいいだろう。それぐらいの作家だ」


「て、手塚治虫!漫画の始祖じゃないっすか!そんなレベル!

 いや〜そんな凄い作家がいたんすねえ。でもそれが?」


「彼の自伝を見ると、面白いことが書いてある。要約すると。


 『恋愛書きたい。でも自分が書くとつまらん。才能がない。クソ』

 『長編書きたい。書けない。才能がない。仕方ない』

 『ミステリーシリーズ書きたい。でも主人公殺しちゃう。書けない。無理。どうしようもない』


 そして、締めには『何事も向き不向きがある。人生できないものはできない。諦めが肝心』的に書いてある。

 仕方ないとか、諦めが肝心とか、何度も何度も書かれてていっそ笑うぞ」


「ええっ、そんな天才の人でも?

 自分には才能がないって、そう思うんすか!なんか意外っす……」

 

「うん。私も驚いた。でも、ある意味で安心もしたな。

 このレベルの作家でも、才能のあるなしに悩むんだなと。

 あと、こういう話もある。ドラゴンボールで有名な、鳥山明氏を知っているか?」

「いや、流石に知ってるっすよ。日本人で知らなきゃおかしいレベルっしょあれは」


「その編集者は、トリシマ氏といって、ドラゴンボールやDrスランプを生み出した立役者として評価されてるのだが……。

 編集者の彼は、鳥山氏に対し『僕は、彼が書きたいものではなく、彼にしか書けないものを書かせた』と言っている。

 鳥山氏が好き放題に書くと、どっかで読んだような、凡庸な物ができて、これはダメだ、ということだったと。

 分かるか?『書きたいもの』をメインに添えず『書ける』をメインに作品を作らせたのだ。

 より正確には『彼だけに書ける』ものだが」


「へーそうなんすね!書きたい物書けば、自動的に良作になりそうなもんすけど!」


「シンプルにそう言えるほど、世の中簡単じゃない、ということだな。さっきもいったが、脳の才能は肉体の才能と違って目に殆ど見えない。だからこそ、無視されやすいが、無視してはいけない。

もし鳥山氏が、SFやロボものにこだわったり……あるいは、星新一氏が、ラブロマンスにこだわったら、彼らは同じ評価を得るような作品は生み出せなかったかもしれない。

星新一氏は、ラブロマンス書きたいけど、自分には才能がないので諦めたと何度も言っていた」


「は〜。そんだけの世界の人でも向き不向きあるんすねえ……」


「また、鳥山氏はドラクエシリーズなどのイラストも担当しているが、別にそれが一番好きだったわけでもないだろう。それなら最初からゲームイラストレーター目指してるしな。

だが『彼にしか書けない』モンスターデザインは、今も顧客の心を鷲掴みにしている。一番成功したゲームイラストレーターといってもよいだろう。スライムの定義も塗り替えたほどだ。『書きたい』ではなく『書ける(得意)』を武器にした結果だ」


「た、たしかに……!」


「実際、好き勝手に書けたはずのその後の連載はコケてるしな……。

 他にもあるぞ。世界に名だたる、シャーロック・ホームズの作者。コナン・ドイル氏。彼が、探偵小説書くのは実は大して好きじゃなくて、歴史小説を書きたがってたのは、その道の人には割と有名な話だ」


「ええっ!あんな世界的な名作が?」


「しかも、後年歴史小説も書いたけど、そっちは余り売れなかった。ミステリのほうは世界のトップというような影響力の作品を作り上げたにも関わらず、だ。『書きたい』ことと『書ける』が常に質として連動してるとは限らないというこれも良い例だろう」


「な、なるほど……」


「たとえ漫画であろうが、小説であろうが、全方向に才能を持ってる人はいない。

 ゆえに『書ける(書けそう)』という表現力の個性を私は重視する。

 あの4つの質問は、全て大事だが、あえて順列をつけるなら、私としては、真っ先にこれを問いかけるのを勧める。

 『書ける』『書けそう』これを軸に作るのが一番大事だ」


「なるほど……あ、でも一つ質問いいっすか?」


「なんだね」


「色々書きまくった人はそれでいいと思うすけど……。一回も書いたこと無いド初心者とかはどうするんすか?『書ける』がゼロなんすけど」


「お、良い質問だね。だが長くなるな。シンプルに答えよう。

 『書けそう』を中心に考えたまえ。やったことなくても、書けそう、書けなそうは分かるのがあるはずだ。

 中には『全くわからない』もあるかもしれない。そういうのは、やってみて判断するしかないな。

 ただ確実に言えるのは『書けなそう』から手を付ける必要は全くない、ということだ。やめておけ。その直感は正しい。いずれ実力がつけば、書けなそうも、転換する日がくるかもしれない。その日を待つんだな」


「な、なるほど……参考になったっす!

 まずは『書けそう』を軸に考えるんすね!」




「そうだ。では次だ」



  Q1:書けそうか?

 →Q2:書きたいか?

 →Q3:読みたいか?

  Q4:ウケそうか?



「『書きたい』だな。『書けそう』が質を意味するなら、これはモチベーションに関わる。

 執筆速度、生産速度、質の向上やそのための勉強。それらを支える根幹だな。

 さっきもいったが、書きたくないものを書いて、続くわけがない。

 小説は書くことよりも『書き続ける』ことが遥かに難しく、そして大事なんだ」


「これが大事なのは分かるっす!何度エタ作品を見たことか……!」


「私もエタ作品もちだからなあ……。

 また、さっきはああいったが『書きたい』ものはなんだかんだいって『書ける』と近い事が多い。

 完全に重なるわけでもないから、分けたがな。だから、自分の才能を探すとっかかりがないときは、書きたいから探していいだろう」


「あ、結局そうなんすね!」


「ちなみに『読みたい』とも近い。 近いだけで、違うから結局分けてるがな。

 読みたいというのは、正確には『読み手として欲しい』という意味だ」


「『読みたい』は『読み手として欲しい』っすか。なるほど」


「そうだ。作者としてやりたいのと、読者としてほしいのは、似てるようで明確に違う。そして、読みたい、もやはり『モチベーション』に関わる他『単体での成長率』に関わる。

 まずモチベーションだが『個人単体での満足感』と言い換えてもいい」


「単体での満足感……すか」


「そうだ。『読みたい』がないと、これに非常に欠ける。

 他人や周囲の環境・評価にモチベーションが依存し、振り回されることになる。

 『一人でモチベーションを維持する』がとてもやりづらい。

 書きたいがやる気のスタートなら、読みたいはやる気の持続だ。

 一人作業の多い小説に対し、これはかなり危険だ」


 一息つき、続ける。


「また『読みたい』がない場合、評価を他人に委ねやすいため『自分一人での作品の質のチェック』ができないし、そもそも『質を向上させよう』という意欲がない場合が置い。質が低くても、気づかないし、気づいても妥協しやすい。だって自分は欲しくないんだから。多少質が低くても許容できてしまう。

 これも上と同様、一人作業が基本の小説において、多大なるデメリットだ。

 『名作』を推敲していく作業が出来ないと言ってるに等しい」



「うーん、なるほど……と言いたいっすけど、少しわからんこともあるっす。これ、さっきも聞いたっすけど。書きたいと読みたいの違いは何っすか?一緒に見えるっすけど」



「そうだな。それは『読みたいが書きたくない』というものがあるからだ。

 あるいは『書きたいが読みたくない』もある。これは小説では少なめだが」


「んんん??読みたいが書きたくないってなんすか?あんま思い浮かばないっすけど。読みたいんなら書きたいんじゃないんすか?違うことあります?」


「あるぞ。そうだな……。ビジネスでいうと『自分は欲しいけど、やりたくない』ということだな。

 例えば『サービスのいいトレーニングジムが欲しい!』と思ったとする。

 でも、じゃあ経営したいかと言われたら、大変そうだし、やりたくはない……ということだな」


「ああ……そういうことならわかるっす」


「あとはそうだな……君に例えると、超賢い軍師たちが活躍する、歴史戦記もの……とかかな」


「うっ!確かにそういうのは読みたいっすけど!やりたいかと言われると……!そんな賢い人の考えなんて思いつきそうにもないし、調べ物大変だし、やりたくはないかも……。歴史そこまで興味ないし……。そういうことかぁ!」


「漫画とかだとなおわかりやすいな、これは」


「あ、そうっすね!今思ったけど、まさにキングダムとか!続き超楽しみにしてるっすけど、あれ書く側にまわりたいとは、俺は思わないっす。大変そうだし。書く側にまわりたいって人もいるだろうすけど、俺は違うっすね」


「そういうことだ。そしてもうひとつの。『(作者として)書きたいけど(読者として)読みたくない』は、例えば、読者が感情移入した主人公をいじめ抜く話とかだな。読者やヒロインに感情移入させたあげく、そいつらを惨殺してショックを与える話を書きたい!とかだな」


「あー!そういうこと言ってる人、確かにいるっすね!」


「だが、そういう作者が、純粋に読み手として、自分の作品以外でそういう作品を読むのを好むかというと、そうでもなかったりする」


「あるっすね!」


「『やるのはいいが、やられるのは嫌』だというわけだ。まあ、こんな感じのは基本的にはウケんわな。爆死してるのをよく見るぞ。自分でも欲しくない作品作ってるんだから当たり前だな」


「な、なるほど……!」


「あるいはシンプルに、設定を書きなぐった話とかだな。

 『この世界はこんな世界で!このキャラはこんな設定で!こんな過去があって!そんでこれは実は作者の分身で!そんでそんで〜』作者としては、書いてて気持ちいいかもしれないが……」


「自分が読者だという視点だと、別に欲しくはないっすね……!」


「ぶっちゃけ、書きたいだけでいうなら、私はプロットだけでいいぐらいだぞ。楽だし。

 だが、それを読者視点で読みたいかというと……読みたくはないなあ」


「あー確かにプロットだけ書きたいとかがあるかも!

 自分用だと、それで十分すよね!自分だけなら……」


「ま、現実はそうじゃないというわけだ」


「うーん。よくわかったっす。書きたいと読みたいは違うっすね……」


「さて、他にもある。『書きたい』モチベを『読みたい』以外に依存してるときだ」

「????……どういうことっすか?」

「例えば、お金貰えるからやってる、書籍化したいからやってる、ウケたいからやってる、とかだな」


「うっ……!なんか……よくありそうな!それだとどうなるんすか?」


「成功してる間はいい。だが失敗した時や……」


「なるほど!失敗した時に困るってことすね!

 もらえたり、ウケてる間はいいけど、もらえない、本にできない、ウケないとわかった瞬間にモチベが壊れる的な!」


「食い気味に割り込むでない。まあ、それもあるが、それだけではないぞ?成功した時も同じだ」


「えっ……?」


「金を稼げたから、書かない。書籍化の夢がかなったから、書かない。ウケたのを確認できたから、書かない。全て、ありえることだ。全て、作品が途中であったとしても、執筆を辞める理由になりうる」


「ああ……ッ!言われてみれば!そして、そういうの、たしかにたくさんあるような!」


「そう言うときでも。たった一人で名作を作るということを完遂させるには『読みたい(自分が欲しい)』が必要になる。自分が欲しい。だから作る。だから書く。他の誰がなんと言おうとも。自分で執筆し、自分で研磨し、成長を求める。他の誰でもない、自分のために。良い商品とは、そういう孤独な覚悟の果てに出来る事が多い」


「なるほど……!胸に染み込ませとくっす」


「まあもっとも、単体でありすぎても、モチベを崩す原因にもなるがね」

「そ、そうなんすか?」


「駄作を作った時に『こんなの読みたくない』と、自分を許せなくなったりするからな。そうなると書けない」

「うっ……なるほど!そういう友達いたっす!」


「ありすぎても困るとはそういう意味だ。さっきいったが『書ける』範囲内で目指すのが大事だ。

 だから、書ける、が一番優先なのだ。

 書けないものをいつまでも追い求めても仕方ない。自分を許せるときが永久にこないことになる」


「うーむ。大変すねえ」


「見切り発車ばかりの君には無縁な心配だな」


 この子はむしろもう少し完璧を目指してもいいと思うぐらいだからな。


「そっすね!……褒めてるっすよね?」


 やったぜ!といった感じから、首をかしげるほむほむくん。


「褒めてるぞ……では次だ」



  Q1:書けそうか?

  Q2:書きたいか?

  Q3:読みたいか?

 →Q4:ウケそうか?



「『ウケそうか』だな。ここはやはり『モチベーション』。

 そして『広がり方』と『商品の良作判定』に関わっている。

 広く他人に求められてこそ商品だ。

 誰も欲しがらない作品など、商品としての価値はない。

 それに、作家の『承認欲求』にも関わる。やはり評価されるのは嬉しいものだ」


「ふむふむ!」


「正確には他人というより『ターゲット』だがな。

 ターゲットに広く求められているかどうかだ。

 小説は、商品ごとに値段差がないから、深さで勝負できない。

 なおさら、広さのみが良作の判断基準となる。

 『良い商品かどうかの評価』は最終的にここで決まる。最終的にはな。

 だが……」


「だが……?」


「意外かもしれんが、私がこれを確認するのは『最後』だ」


「ええ〜!いや、マジで意外っすよ!師匠、あんだけ売るのが大事いっといて!」


「絶対にチェックはいれるぞ。ただ、商品作りの時、ウケそうなのから考えるとかはしないというだけだ。非効率だからな」


「最初にやると非効率……っすか」


「対象が多すぎるからな。ウケそうっていっても、大体多数ある。復讐もあれば、成り上がりもあるし。スローライフもあれば、戦記もある。人外物、クラス転移、悪役令嬢、人外ものかつスローライフ、人外ものかつ復讐。人外かつクラス転移かつ復讐かつ戦記……など組み合わせも考えたらキリがない」


「はー確かに多いっすね」


「それに、宣伝というのは掛け算だからな。駄作にいくら人を流した所で、自動アンチ量産マシーンにしかならん。質が保障されてこそ、宣伝は意味をもつ。やる気もスキルもない作品など、駄作確定だ。ウケそうなジャンルはクリアできても、ウケる『作品』にはならん。そもそも完成せん。君、BLが人気ジャンルだからって、手を付けるのか?」


「無理っす嫌っすガン拒否っす。脳がイメージするのを嫌がるっす。プロローグ書く前にエタるっす」


「そんなんで名作ができるだろうか?」


「そもそも完成しないっすね!もしそれしか書けないなら作家やめるっす!」


「まあそういうわけだ。Q1〜3の書きたい、書ける、読みたいをある程度クリアしないなら、ウケそうもまずクリアせん。先に考えるだけ無駄だ」


「よくわかったっす!」





「……とまあ、ここまでが、各項目の説明だな。長かったが、じゃあ実際どうするのかという話をしようか。君のホラーか、悪役令嬢と俺TUEEE、どの作品書くべきか書くべきでないかを例にとってな」


「あ、覚えててくれたんすね!是非お願いするっす!」





「では、実際、考えてもらおう。まず君にとってホラーはこの4つの質問でいくつ当てはまる?」







「ふーむ……そうっすね……」


「まず、書きたさはあるっすね!……でも、そうっすね。俺、ホラーゲーの実況者みて、こういう人をビビらせるの書きたいなって思っただけなんで。だから『読みたい』……がなー。俺、ビビらせたいはあるっすけど、別に俺がビビりたいわけではないんすよね。だから、特別読みたくはないかなーって……20点ぐらい的な」


「ふむ。書きたさはあるが、読みたさはほぼなしと……」


「で、次に書けそうかどうかっすけど。さっき言ったように、俺あんまビビりたいとかないんすよね。つーか、怖いとかあんまないんすよ。心霊スポットとか大体平気だし。だから、怖いつっても、何が怖いとかよくわかんないんすよね。なんで、書けそうかつったら、書けない気がするんすよね……。怖いがイメージしづらいんで。30点ぐらい?赤点な感じな」


「ほほう。書けそうもあんまりないと……」


「で、ウケそうっすけど。これはもう!明確にウケないっすね!純粋なホラーが、なろうのランキング入ってるのなんかみたことないっすから!10点的な!」


「つまり……これに当てはめると?」


 さっき書いた一覧を見せる。




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 『執筆実行の4つのチェック』

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  4つ……即執筆すべし

  3つ……調整してから執筆すべし

   (断念の壁)

  2つ……やめとけ。

  1つ……絶対なし。



「4つ中、1つしか当てはまらない!つまり、絶対なし!あれぇ?え、そんなに絶対なしっすか?」


「まあな。『書きたい』しか揃ってない。『書けそう』がないから、質が低いのは確定。執筆時間もかかる。『読みたい』がないから、自分で作品の善し悪しもわからないし、早晩モチベ尽きる。そして『ウケそう』もないので、ほぼ無反応。モチベはさらに倍速で尽きる。何をどうみても駄作が出来て、嫌になってエタる未来しかない」


「な、なんてこった……。あの悩みは一体!」


「1つだけは悲惨だぞ。

 『書ける』のみの場合も、品質を高める事も気力がわかないし、反応もないから砂を噛む作業でしかない。

 『ウケそう』だけでも、さっきのBLの例のごとし。駄作とエタ確定。ウケるはずもない。

 『読みたい』だけ。やりたくないしスキルがないんだから、続くはずがない」


「うぅ……なるほどっす」



「では、悪役令嬢について考えてみようか」


「そっすね……。まず『書けそう』ってのはあるっす。俺テンプレ好きっすし。ランキングもとりあえず読むっすから。この手のは大体パターンわかるっすよ。そんで『ウケそう』これも間違いなく思うっすね!婚約破棄してからの〜成り上がり!ざまあ特盛り!これは多分ウケるっすよ!両方80点以上はあるっしょ!」


「ふむ。2つはクリアと」


「でも、さっき言ったように『書きたい』はあんまないっすね……。ウケるなら書きたいってぐらいなんで。それ以外に理由はないっす。そもそも女主人公がどうにも肌に合わないっす。俺、女に感情移入はできないんすよね。でも俺が書きたいのって、俺の分身みたいな主人公っすから。だから、当然『読みたい』もないっすね。別に悪役令嬢、読者としてほしいわけじゃないっすよ。作者視点で、ウケるかなって思ってるだけっす。どっちも赤点すかね」


「ということは?」


「書けそうとウケそう、4つ中、2つだけ!ということは、やめとけ!……っすか!なんとまさかの両方ボツ!あの悩みは一体!」


「彼方に」


「えーでも、2つあったらギリセーフとかならないすか?なんで断念の壁なんすか?」


「君、理想は4つだぞ。3つでも危ういところがあるぐらいだ。2つなんて余裕だわ。

 実際、今、君が言っただろう。書きたいがないから、モチベが続かない。読者として欲しいわけでもないから、自己評価を繰り返し質を高めることもない。質が低くても妥協の嵐。予言するが、一人作業中にやる気をなくす、反応が最初にない時点でやる気を失くす、テンプレがすぎた辺りでやる気なくす。どれかになるだろうよ」


「うぐぅ……。他の2つも同じようなもんなんすか?」


「そうだな……2つの組み合わせは全部で6つ。

 それぞれを軽く解説するとこうなるか」

 

1.書きたいし書けるが、読みたくないしウケそうにない

  →暗いエッセイや設定資料集のような作品にありがち。コケるのが見えている。チラシの裏行き。

 

2.書きたいし読みたいが、書けないしウケそうにない

  →書けないだけでも致命的。ウケないのはダブルパンチ。


3.書きたいしウケそうだが、書けないし読みたくない

 →書けないだけでも致命的。さらに質の低さを気にしない


4.書けるしウケそうだが、書きたくないし読みたくない

 →上のほむほむ君。モチベが持続しない。エタ目前


5.書けるし読みたいが、書きたくないしウケそうにない

 →スキルはあるけど量が膨大なものに起こりやすい。読みたいは書きたいに転化しやすいので、2つだけの中では一番マシ


6.読みたいしウケそうだが、書きたくないし書けない

 →モチベも質もどうしようもない。誰か書いてくれと祈る



「むう……これを見ると確かに……ダメそうっすけど。

 あれ?5だけなんか評価甘いっすね」


「さっきもいったように、読みたいと書きたいは若干近いからな……。

 カバーできなくもない、というところだ。一人でモチベも保てるし、品質チェックもできる。

 もしかしたら反応いいかもしれないので、やってみて損はない、かもしれない。ぐらいかな。

 他のは、まあやるまでもない」


「ぐぬぬ……なるほど。じゃ、じゃあ、あれっす。

 俺TUEEE復讐ものは!どうっすか?」


「どうっすかって。君が判断することだろう。どうなんだ」


「そ、そうすね。まず『書けそう』っすけど……。これは明確にYESっすね!

 そもそも、俺が小説書き始めたのも、なろうのランキングみて

 『オレでも書けそう!』って思ったからだし!実際、割りと書けたし!

 まあ、名作が書けるかっていうとあれっすけど、70点ぐらいはいけるんじゃないかなーと」


「うむうむ。では次は?」


「書きたい……これもあるっすね!やっぱ書いてて気持ちいいっすから!これは90点ぐらいあるっすよ!

 そんで、読みたい……これもあるっす!ていうか、俺こんなのばっか読んでるぐらいっす。これも80点はあるっすね」


「いい感じだな。それでウケそうは?」


「そこだけちょい微妙というか、ブームが過ぎた感あるっすけど……。

 ホラーとかに比べれば全然いけるっすね。100点ではないけど、70点ぐらいは的な」


「十分だな。で、結論は?」


「4つ中、甘めにみて4つ。厳し目にみても、3つクリア!……つまり?」


「執筆してよし、ということだな」


「おお、なるほど!こうやるんすね!」


「ちなみに、君の場合、ウケそう、がやや難点なので、そこを頑張ってアレンジを考えるというところだろうか。

 弱いところが1つぐらいなら、なんとかなるさ。やってみてうまくいくこともある。1つぐらいならな。

 2つもなると、相当に厳しいが」


「なるほど!ちなみに、他が弱かった場合は?」


「他か……?そうだな。こんな感じかな」

 

 すらすらと書き連ねてみる。


——————————————————————————————

 ・書けそう、だけ弱い……書きたい、読みたい、ウケそうがあるので、独力で登るモチベがある。そのモチベを勉強などにも転化していけば、いずれ実力もつくはず。長い目で頑張ろう


 ・書きたい、だけ弱い……読みたいを転化させれば書きたいにつながりやすい。最も完全な商品に近い。とりあえず出してみよう。


 ・読みたい、だけ弱い……周りに求められてる間は大丈夫。勢いで突っ走れば、終わる頃には名作になってるかもしれない。勢いを大事に。見切り発車バンザイ


 ・ウケそう、だけ弱い……モチベと才能共に十分。問題はパイの狭さ。流行をちょうどよく取り入れたり、キャッチーさを磨くことで完璧な作品になるかも。あるいは、狭く深くウケる、カルト的な作品ならこれでも十分。

——————————————————————————————


「ま、こんなところか」


「おお!こうみると、確かに3つ揃ってればなんとかなる気もしてきたっす!

 ははー。そういうことなんすね」


「分かってくれて何よりだ。

 まとめるぞ。

 『黄金の商品』を作るには『書ける(書けそう)』『書きたい』『読みたい』『ウケそう』が揃ってるのが大事で、基本的には4つ全て揃うのを目指す。だが、うち1つ足りないぐらいなら頑張って埋めれる。2つ足りないは別のアイディア練り直したほうがいい。こういう感じだな」


「わかったっす!

 で、俺は、今の感じだと、ホラーをやめて俺TUEEE復讐物とかいけばいいって感じなんすね」


「そういうことだな。『書ける』に『自分だけが書ける』につけば、なお完璧というところぐらいだ。ま、嫌でも大概は個性がでるがね。実力が上がれば尚更だ」


「おお……夢もあるっすね!そっかーそこが個性になるのか」


「うむ」





「いやー師匠ありがとうっした!

 おかげでスッキリとした感じで、執筆にとりかかれそうっすよ!

 あ、そういえばこれって、元々はビジネスの話でしたっけ?

 執筆以外にも言えるんすよね?」


「そうだな。言えるぞ。

 いろんな商品や企画、セミナーやイベント、ライブ、ゲーム、漫画……

 およそクリエイティブなものは全てに言える。

 ああ、料理とかもそうだな。

 私でいえば、ボンカレーなどが得意料理で……」


「いや、あれ温めもしないルーだけで食いたいとか思ってんの師匠ぐらいっすから。

 さっきの使うなら、俺的には、作れそう、以外、食べたいもウケそうも作りたいも全部アウトっす。

 つーかクリエイティブとかいう単語で連想しないでほしいっす。

 料理への冒涜っす。せめて具材煮込んだカレーを題材に出しましょうよ」


「さっきの理論でいえば、いくら『食べたい』があっても、『作れない』ものはしょうがないのさ。

 さらにいえば『作りたい』もない」


「格好良くいわないでください。

 面倒くさがりなだけじゃないすか」


「楽だからいいじゃないか。ちょうど飯時だぞ。せっかくだから……」


「質!質の問題が!

 まさにここにアンチが量産されてるっすよ!

 飯も俺が作ってくるっすよ!またこれか!

 俺は色々作れるし、食べたいし、作りたい(強制)すから」


「うむ。やはり他にも適用可能だな」


「他の事で知りたかったっすねぇー!」



 そういうと、颯爽さと嫌々さの絶妙なブレンド加減でキッチンに向かっていくほむほむくん。


 だって(モチベ的に)できないのは仕方ない。

 

 まあ、Win-Winだからいいんじゃないかな(適当)。

 

 


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