獣とけもの
紅狼
プロローグ
プロローグ
「よし、準備は出来た。」
「後は、彼女達が作ってくれた船に乗って、あの場所に無事に辿りつくだけだ。楽しみだな。」
ああ、本当に楽しみだ。
なぜかって?
何年来かの、とても優しくしてくれた
「お友達」に会えるのだ。
あの時は、暑かったなあ。
眩しい太陽よりも眩しかった彼女の笑顔は、とても優しかった。
ぼくがあの場所を離れる時まで
いつも隣にいてくれた。
「名前、忘れてないな。よし。」
「「サーバルちゃん!」」
((サーバルキャットのサーバルだよ!))
((尻尾と耳のないフレンズ?珍しいね!))
((木登りが出来ると、逃げたり隠れたりするのに便利だよ!))
((私たちだって、素敵なコンビだよ!))
サーバルちゃんとの交わした会話は、今でも思い出せる。鮮明に。
さあ、出発だ。
会いに行くんだ。
サーバルちゃんの作ってくれた、
船に乗って。
港まで。
がしゃん。
ブレーキが少し効かなかったかな、
少し当たったけど、僕や船には外傷はない。
さて、...
「え?」
思わず目を擦った。
自分の目が大丈夫な事を確認すると、
寒気がした。
なんなんだろう、この光景は。
ううん、これはちがう、幻覚だ。
そうだ、サバンナにいこう。
そうすれば、またあの笑顔で出迎えてくれるだろう。
ぼくはサバンナに走った。
何も見ずに。
ただただ、サバンナまで走った。
「そ、そんな、、、」
異様な光景と、目の前に広がるそのサバンナの姿は、
ぼくの声を出せなくするくらい
絶句させた。
ジャパリパークは
変わり果てた姿でぼくを出迎えた。
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