第1章 ジャパリパーク
そして、いま。
あの日からどのくらい経っただろうか。
見知らぬ場所に戸惑って、そして何者かも分からない「ヒト」に追いかけられて。
あの時はすごい怖かったけど、一緒にいるうちに親しくなって。
あの「子」と別れて、それから今。
どうしてこうなってしまったんだろう。
どうして、早くここに来れなかったんだろう。
「ああああああああああああああああああああああああああああああ!」
変わり果てて、何もかもが終わった様なぼくの目の前に広がる光景は、
たくさんのフレンズと触れ合い、長く居たからこそなのか分からないが、
自我をも失ってしまいそうになった。
あの時の小麦色とはちがう、枯れた草の色。
ボロボロになった、木の幹。
かつて、サーバルちゃんに教えて貰った、木登りを初めて出来た木さえも、
その原型をとどめていなかった。
ぼくたちを心配していてくれて、大きなセルリアンの時には助けてくれた、カバさんの居た水場も、濁っている。
そうだ、ぼくはひとつ、大事な事を忘れていた。
この地に来た時から、
彼女がいなかった。
優しい笑顔と、太陽よりも輝かしい元気さを備えた彼女が。
サーバルちゃんが。
そして、カバさんも。
そう、このジャパリパークという名の
場所には、
「フレンズ」と呼ばれる「ヒト」が
一人もいなかった。
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