デート1 待ち合い

今日は晴天の土曜日で涼風さんと買い物することになっている。

デートは初めてでは無いがやはり何度でも緊張する

元カノの好みの服は大体わかっていたが、涼風さんの服の好みは全くわからない。


いつも、家の中では寝巻きで過ごして買い物の際はジャージで行くというのが日課だが、今日はそんなわけにはいかない



数分迷って、黒のポロシャツに黒のスキニーパンツに黒のテーラードジャケットという家族とかと出掛ける際の服装に決めた。


博多駅に10:00に待ち合わせをしているため地下鉄は数はあるがしっかり時間前に行かねければならない。


けど、涼風さんの服装は気になる。彼女ぐらいの美人なら何でも似合いそうだが案外センスが悪くてもギャップ萌えしそうだ。


俺は家を出て地下鉄の駅へと向かった。

持ち物はスマホ、財布、タブレット、ハンカチ、時計、イヤホンそして拳銃だ。


なぜ、拳銃かと言うと学校はもちろん外出する際にも持って行くことを義務付けされているからだ。そのおかげでズボンが重い


地下鉄に乗り博多駅に着く頃サングラスを付けていたからか若い女性陣がチラチラこちらに顔を向けてくる。

(やはりおかしいか?)と、思っていたがそれは間違いだ。


177cm 67kgの体重に対してはベストより2kgも太っているがかなりの男前だ。

本人は無自覚だが間違えなくモデルとしても活躍できるぐらいのイケメンである。

おまけに、年は15歳と中学を卒業して間もないが大人びた顔立ちをしている。


逆に悠一の顔は爽やかさが現れており白い歯に笑顔が似合う爽やか系イケメンだ。

でも、言葉に表すのが難しいくらいのイケメンで言葉には出来ない。(作者の語彙力が低い為)


話は変わるが友人は結構いる方だ。

よく、オタク友達と買い物や映画を観に行く際に何人か誘って行っている


『まもなく、博多、博多です』と地下鉄のアナウンスが鳴った


大体の人が博多で降りる。今日ももちろんそういう人が多い


俺は待ち合わせの博多口のモニュメント前に待ち合わせしている。


待つこと5分ちょっと


涼風さんが駆け足でこちらに向かってきた。


服装はというと白のワンピースに黒のジャケットを着ている

(いやぁ綺麗だなぁ〜)


「ごめんなさい、待ちましたか?」

「いーや。別に待ってないよ」と言い宥めた。

「それなら良かったです」と涼風さん

(本当に美人だなぁ)


「それじゃ何処か行きたいところある?」と聞いた

「あれっ?考えてなかったの?」と逆に問われた。マジか、そっちもノープランかよ…

「俺が、考えるべきかな?」

「いーや、私が考えておけば良かったね。ごめんね」

「俺こそごめん。デートって久しぶりだからな」

「そうだったね。彼女さんとは何回デートしたの?」

「5回かな。博多と天神に行ったことかな」

「楽しかった?」

「まあね。あれ、俺たち何の話をしてるの?」元カノの話はあまりしたくないのだが…

「確かに何の話してるのかね。じゃあ行こっか」

「えっ何処に?」

「マリノアに行かない?」

「いいよ。けどめっちゃ懐かしい」


マリノアに行くには地下鉄空港線で行くか昭和バスに乗るかだが地下鉄の方が時間的には良い。バスは26分後である為だ。



俺と涼風さんは歩いて乗り場に向かっている

けど、なんか俺が惨めになってきた。

彼女は超が付くほどの美人の女子高生、俺はただの一般的な男子高校生。

ああ、注目されてるよ………


「山本くん?どうしたの?」

「うーん、何でもない」

「ならいいけど」

「けど?」

「私とは楽しくないのかなぁって思って」

「そんなわけ無いよ。こんな美人と一緒に歩けるなんて光栄です。お嬢様?」

「もぉ〜意地悪しないで〜」

「すまんすまん」

「お願いだからね?」と上目遣いで言ってきた。俺は上目遣いに弱い。

美人ならなおさら超弱い。

涼風さんが恋人ならどれだけ幸せだろうか


けど、俺が駅を出てから何故か尾行されてる。

つけているのは、一般人だ。

下手くそな尾行に気づかないわけが無い。


けど、何故を追ってるのかがわからない。

俺が来た時は涼風さんは来ておらず俺が誰といるのかわからないはずなのに。

でも、警戒はしておかないといけないし尾行されるのは嫌いな為ちょっと急いで巻くことにした。


「涼風さん、急ぐよ」と言い手を握って早歩きから小走りにした。


地下鉄の切符売り場に着いた。

ちょっと急いだせいか涼風さんはちょっと息を切らしている。


「涼風さんごめん。誰かに尾行されてたからそれを巻いたんだ。無理させてごめん」

「気にしなくていいよ。けど、尾行はもう大丈夫なの?」

「残念ながらしぶとく着いてきているけど、涼風さんは俺が守るから心配しないでいいよ」

「うん。お願いね。私って弱い女だから…」と悲しい目をしてしまった。

「大丈夫。君は強い女だと思うよ。今まで男性と付き合ったことないでしょう?」

「そうだけど。良く知ってるね」

「君が女子校だったことを踏まえると彼氏はいないのかなって。それに、前に彼氏がいたら俺なんかに構わないでしょう?」

「そんな事は無いよ。だってあなたみたいにカッコいい人なんて多くはいないよ」

「俺はカッコよくないって。それに君の服、とても似合ってるよ」

「ありがとう。結構迷ったんだよねー。褒めてくれて嬉しい」と言われ笑顔で返される。


俺は手を握っていることに気がつき離そうとすると、

「今日はこのままでいよう。ダメかな?」また、上目遣いだ。

あぁクソ!可愛すぎんだろ!!

「いいけど。俺なんかと手を繋いでいいの?」

「もぉ、山本くんは自分への評価が低すぎるよ〜もっと自信を持って!」と勇気付けられた。


さて、今日のデートを楽しまなければ!!

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