第11話 過去の告白
あの事を、みんなの前で言われたので話すしかないと、腹を括った。
「教えてくれる?君に何があったの?」と涼風さんに聞かれた。
「分かった。結構残酷だけど、聴きたくないなら話すの辞めるから」と言い語り出した。
「2.25事件を知っている?」と尋ねた。と奈央ちゃんが
「テレビのニュースで見たことがあるよ。確か、学校にテロリストが乗り込んできて、警察官が確か射殺したのよね?」と。
少しは、知っていたようだ。
「表向きには警官が射殺したとなっているけど、実際に殺したのはこの俺。射殺ではなく、テロリストが持っていたサバイバルナイフを奪い、頸動脈を切った」
みんなは、唖然していた。それもそのはず、目の前に人殺しがいるのだから。
正直、この事を言いたくは無かった。友達になってくれそうな人だったし、幻滅されたかもしれないし、関わりたくなるかも知れない。
しかし、俺が思ってた反応とは違った。
涼風さんは、「そうだったの... でも、大丈夫だよ。だってあなたは、人を助けたのだもの。それをいいことに、人殺しと言っている人がおかしいのよ。」と
それから、悠一も「気にするなよ。俺たちはそう簡単には、いなくならないぜ」と
奈央ちゃんも「大丈夫だよ。何かあったら私たちも協力するからね!」と
嬉しいの一言だ。こんな自分でも受け入れてくれたのは。
自分は、許されない犯罪を犯した。正当防衛となっているがあの時は人を殺す事に躊躇う事が無かった。これから、どんな殺人鬼になるのか考えてしまう事があった。
しかし、自分を受け入れてくれた。中学時代も色々、カバーしてくれた友人もいてくれた。自分にも生きていて良かったと思った。
「この事をお父さんにも、言っていい?私のお父さん一応、警視監だから」と涼風さんが言った。
ちょっと待てよ。涼風って、涼風正治警視監?
「お父さん、涼風正治警視監?」と聞くと
「お父さんのこと知っているの‼︎」と驚いていた。
「前、お世話になったからね。まさか、涼風さんのお父さんだなんて。」
そりゃ驚くよな。
「じゃあ、今日このあと来る?」と涼風さんが言ったが、
(ちょっと待てよ。女子の家に行ったことないぞ。)
しかし、「いきなり来たらご迷惑になるよ。だから、近いうちにお邪魔するよ」
「そうよね。じゃあ明日大丈夫かなあ。」と誘ってくれた。
明日、確か予定ないから、「明日大丈夫だよ」と返しておいた。
「うん。分かった」
「おいおい、俺たちを忘れてないだろうな!」と悠一が言ってきた。
「そうよそうよ!私忘れてないよね!」と奈央ちゃんも。
「悪い。話が乗っちゃって。」と謝りを入れた。
「ごめんね。つい話が長くなっちゃって。」涼風さんも謝った。
「けどよ、会って初日の女子に翌日、家に誘われるなんて。このリア充が」と突かれた。
「おい、さっきの話聞いただろう。俺がリア充だったらリア充の定義が崩れるぞ。」
確か、リア充とはリアルが充実している人だった様な気がする。
時間が過ぎ、いつのまにか5時半を過ぎ、する事が無くなったため今日は解散する事にした。
「また明日」と見送り、夕飯の準備をしようとした。
だがしかし、冷蔵庫には何も入ってない!
「今日も外食かぁ」と思い、出掛ける準備をした。
「どこに行こうかなぁ」と考えながら準備をしていると、
「そうだ、お好み焼き屋に行くか」と思い、そこに行ってみた。
店の前に着き、様子を見ると幸い席が空いているようだ。
店の中に入り、「いらっしゃいませ」と店員さんの元気な声が聞こえた。
自分は、奥の席に案内されここのオススメの「豚玉」にすることにした。
店の雰囲気は、小洒落た店で入りやすい感じがする。
サラリーマンの方々は、こんな店で食べるのかなぁと思いながらもお好み焼きが来るのを待った。
ここは、厨房で焼いてくれるので、自分で焼く必要が無い。
10分すると、「お待たせしました。豚玉です。」と元気な声で持ってきてくださった。
気になるお味といきますと、厚い豚肉に卵や山芋の味を引き立てていて、シンプルかつ美味しくいただけた。
(今後、外食する際にはここで食べよう)と思った。
食べ終わり、時間は6時半。いつもなら、もうちょい夕飯の時間には早いけど、明日も学校があるし、今日の報告書も書かないといけないので帰るとした。
しばらくたち、時間は10:30を越しており報告書も終わった事だから寝るとした。
しかし、明日も波瀾の一日になるとも知らずに。
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