2章 体力テスト

3時間目の体育の時間になった。

第三高校は4つのグラウンドがあり、運動部などが練習している。

俺たちは第三高校の第1運動場に集合している。

この学年は全10クラスあり、1クラス40人ぐらいだ。

1、2組が第2運動場、3、4クラスが第1運動場、5、6クラスが第3運動場で7、8クラスと9、10クラスは体育館で室内で計測するそうだ。


男女とも、50mから始めるようだ。順番は出席番号順なので相手は悠一だ。

出席番号が早い人から走り始めている。


心の中で(お手並み拝見だ)と悠一に対し思った。


「浩一!ぜってえ負けねぇからなぁ。本気出してこんと許さんぞ!」と挑発?してきた。もちろん、全力で走るつもりだ。


結構、走り終えている人が出てきたことによりそろそろ出番だ。


涼風さんも奈央ちゃんも女子では良い結果方らしい。


「次、山下悠一、山本浩一!」と田中先生の声が聞こえたため、「「はい!」」と返事した。


「位置について。用意ドン!」とピストルの音が鳴ったと同時にスタートした。


個人的にスタートは良かった。このまま、風に乗る事が出来た。

間も無くすると、ゴールに着いた。そして悠一もゴールした。

「や、山本浩一 5,87秒」と驚いた様子で教えてくださった。

「山下悠一 6,53秒」と教えていた。


周りは、「山本ってめっちゃ速っ!!」と驚いているようだ。

涼風さんも「凄い!」と度肝を抜かれたようだ。

奈央ちゃんは涼風さんに「浩一くんは保育園の頃から身体を鍛えていたから昔からかけっことか速かったからねぇ。でも、まさかあんなに速いとは」と驚いていた。


悠一からは「お前、めちゃくちゃ速いな!どうしたらそんなに速くなるんだ!」と尋ねてきたものの、「俺、いつも訓練しているから」とか言える訳がないから、簡単に、「昔から、足が速いだけ。でも、身体を鍛えていることもあるかもしれない」と返しておいた。


けど、このタイムが出たことによって色々な運動部がスカウトに来るとは思わなかった。


次の、ハンドボール投げでは56mを出してこれまた騒がれた。


今日は2種目で終わり男子更衣室で着替えている最中、クラスの男子が「お前、どんな身体しているのか」と俺の体操着を無理やり脱がされた。


男子の眼には、バッキバキに割れた腹筋にどこのメジャーリーガーかと思われる腕に着いた筋肉。


皆が「「「すげぇ」」」と感服している。

昔から、身体を鍛えながら勉強もしていた甲斐があったと思う。


一方女子更衣室では、

「3組の山本くんすごくなかった!」との話題

「50m5秒台とか先生言ってたよ」「マジ!あいつバケモンやん」「ハンドボール投げも50mオーバーらしいよ」と。


深雪の目にはあんなに速く走るのを見たことが無いという。

女子校だったため、男子を見る事が無く育ってきた環境だったからだ。

「山本くん、かっこよかったなぁ」と呟いていると、近くにいた女子が

「涼風さんって、山本くんのことが好きなの?」と聞かれたものの、ハッキリと「違う」とは言えなかった。

少し黙っていると、「マジっ!この学校でも有数の美少女が恋に落ちたの!これは男子が可哀想だわ」と言われた。

(もしかして、山本くんに恋しているの⁉︎)と思うと顔が真っ赤になった。

すると、奈央ちゃんから

「深雪ちゃん、これから友達だけど恋敵だね」と言われた。

「マジっ!平塚さんも、山本くんが好きなの⁉︎」と聞かれていたがすぐに、

「うん!保育園の頃からよく一緒に居たけど昔から大好き‼︎彼以外の男子には一切興味がないくらい!」と笑顔で応えていた。


この話は、もっと続いたがそれは後ほど語る日があれば。


放課後は、私の家に来ることになっているため緊張している、浩一と深雪だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る