デート3 告白


「山本くん!あそこ行こうよ!」とはしゃいでいる涼風さん。

いつもはクールなイメージがあったが今は子供みたいにはしゃいでいる。

時間はまだあるのにと思いながら彼女を追いかけた。


「走ると危ないよ!」といった側から足を挫くようにこけてしまった。


「ほら、言わんこちゃ無い…大丈夫?」と尋ねるたが足首は少し腫れている。


「大丈夫だよ。ありがとう」と言いながら立とうとすると、

「痛いっ!」と言ってまた倒れてしまった。


「足首見せて」と言って俺も屈んだ


足首は立って見ていたのと同じく足首が腫れている

時間はまだあるからいいけど彼女は傷ついていないかなぁ?


「足首が腫れているから足捻ったね」

「うん…そうみたい……ごめんなさい……」と謝ってきた。


「気にしないで。ほら、おいで」と言って背中を差し出した


「えっ?何?」と尋ねてきたが決まってる。

「無理に立ったらいけないから近くのベンチまでおぶっていくよ」と言ったが涼風さんは顔を真っ赤にしてこう言った。

「いいよ。山本くんに迷惑かけたく無いから…それに私重いもん…」

「別に気にしなくていいよ。それに涼風さんは逆に軽そうだし、俺も一応は男だし女性1人おぶれないとみっとも無いから遠慮しないで」


「じゃあお願いします…」と聴こえて背中に柔らかい感触がした。

これってまさか、胸なのか???

確かに、元カノのは触ったことあったがその時は中2の時だ。

涼風さんってあまり大きく見えなかったが完璧に着痩せするタイプだったんだと思いながら立った。


「うわっ高っ!?」と驚くように言った涼風さん。


「なんやかんだで177cmはあるからね。涼風さんは?」

「私は160cmぐらいだよ」

「そうなんだ。女性にしては高い方なのかな?」

「うーん。良くわかんない」

「そっか。俺の背中気持ち悪くない」と尋ねた。俺の背中は自慢じゃないけどかなり筋肉がある。結構気持ち悪く見えるし女性は結構気にする人がいると思ったからだ。


「全然。筋肉がある人ってなんか逞しく見えてカッコいいと思うよ?」

「よかった〜気持ち悪いと思われたらどうしよと思ったよ。けど涼風さんに言われてホッとしたよ」と本音を明かした


俺は涼風さんを抱え近くのベンチへ向かった。

周りはこっちをチラチラ見ている。結構恥ずかしいものだ。

ましては涼風さんは超がつくほどの美少女だ。

奈央ちゃんは可愛いという言葉が似合っており涼風さんは美人という言葉が似合っている。

それに涼風さんは俺に全体重かけているとわかっているが非常に軽く思い自分で重いとか言っていたがそんなことは一切無い。

今、俺は彼女とデートに来ているが付き合っていないしましては出会って間もないのに側にいる。

こんな手が血で汚れている男というのを知っているのに。


そして、この時初めて気づいた。

俺は、涼風深雪に恋をしている。もう彼女を自分の物にしたいし誰にも譲りたく無い。

彼女を俺の全てにしたい。出会って間もないからって言って長続きしないと思ってた俺が馬鹿みたいだ。俺の元カノには一目惚れして夢でも元カノのことを考えていたことを覚えていたのに。

俺は好きになっているを超え愛していることもわかった。

こう思うと俺は人間のクズだ。

好きになったとわかったと同時に愛してしまっているなんてどんな御都合主義者なんだ。彼女の気持ちは後で対応すると決めていた俺は本当に馬鹿だ。


そう考えながら歩いていると一粒の涙が溢れた。

その涙が地面に落ちたことに気がつき涼風さんが声をかけてきた。


「どうしたの!?」

「なんか、涙が止まらない」

「大丈夫?」と心配してくれている涼風さん


俺は目の前のベンチに涼風さんを降ろし俺もベンチに座った。

まだ、目には涙が浮かんでおり涼風さんが何かを取り出した。


「これで涙を拭いて」と差し出されたのはハンカチ。

「ありがとう」と言って涙を拭いた。


「何かあったの?」と聞いてきた涼風さん。

俺は後悔するかも知れないが本当のことを言おうと決めた。


「俺は最低なクソ人間だよ。なんで今までこんなに無視してきていたのだろう。大事なことなのに…」

「大事なこと?」

「うん。とっても大事なこと。それを涼風さんに言うよ」

そう言って俺は跪いた。


「俺は涼風さんが好きです。おそらく一目惚れだったんだと思います。こんな僕によければあなたの隣にいられる資格をください」

これでフラれたらしょうがない。人生の大事な思い出に刻まれてもう一生恋をすることないだろう。

元カノに夢中だった頃の何倍も大事にしたい。

でも、困ってるだろうなぁ。こんな大勢がいるところで告白するなんて。


すると不意に柔らかい感触がした。


「私もあなたが好きです。こんな私でよければあなたの恋人にしてください」


俺は時間が止まったかと思った。彼女の想いに気づいていながらも無謀な告白だったと思ったのに彼女は俺を受け入れてくれた。

そう思った矢先。唇に柔らかい感触が当たった。


俺は恐る恐る閉じていた目を開けると顔中に涼風さんの顔が見え当たっていたものが唇だとわかった。


それに俺は応えるようにもう一度目を閉じ俺から唇を重ねた。

それはほんの一瞬でも自分の存在価値が認められた気がした。


お互いに唇を離すと2人を祝福をするように水飛沫が上がった。

それと同時に周りの人から拍手があがった。


俺は頭を下げ礼を言うのと同時に涼風さんを抱きかかえ立たせた。

見ると彼女の足首も腫れが収まってきたことがわかり立てるようになったことを確認した。


すると涼風さんは俺の鼻に涼風さんの鼻をちょこんと当ててお互いに言いあった


「これからよろしくな。深雪」と初めて名前で言った。

彼女は頬を赤らめこう言った

「こちらこそよろしくお願いします。浩一くん」

またお互い唇を重ねた。


また離れると涼風さんは今日のところは帰ろうと。

俺は早いと思ったが彼女の言う通りにした。



俺たちはマリノアを出て地下鉄の駅へと向かってる際にこう言ってきた。


「浩一くんの部屋寄ってもいい?」と聞かれた。

「別にいいけど。どうして?」と尋ねたら頬を真っ赤に染め、「いいから」と宥められた。


でも、初めて彼女が家に来るのは2回目でも恥ずかしい。

元カノとはただ遊んだがしばらくするとキスをし本番の行為無しだったが接触はした。


まぁ高校生になってばかりで2回目と言うのはどんなプレイボーイかと思われてもしょうがない

けど、深雪は元カノと比べると圧倒的に美人だし、優しい。


元カノは明るくて人気があったが確かに美人の部類には入っていないと思った。

けど深雪は、歩く人全てが振り返るほどの超美人。

そして深雪の趣味は料理ということで超楽しみだ。


さて一体何をするんだろうか考えながら地下鉄に乗っていた。


勿論、深雪は浩一に寄りかかって微笑んでいた


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