六文銭を届けて――カラスがいつか、啼くまでに――

現代幽霊ファンタジー百合小説です。

三日ぶりに会ったルームメイト、小日向青葉は、幽霊になっていた。
霊が見え、会話もできるこの国で、巴みずなが思ったのは「見送りをさせてくれて嬉しい」ということくらいだった。
なぜなら彼女は、奪われていたから。霊を送り出す儀式”忌結び”の対価として、喜楽以外の感情を。
いま、青葉がそれを請う。忌結びの儀式を請う。彼女は一体何を与えるつもりなのか。それとも何を奪い去るつもりなのか。
終わりへと向かって、緩やかに日は過ぎる。青葉の目的を覆い隠したまま……。

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最新作『泪の君の愁雨』が更新中です。
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