概要
僕は今、確かにこの世界を生きている
少年、種坂やまとは十歳の夏に心臓発作を起こし、その時ようやく自分が生きていることを実感した。長期入院を余儀なくされた少年は、誰に明言されるでもなく自分の命が近い内に尽きることを悟った。病態の悪化に伴い、大きな総合病院に移ったやまとは、そこで陣内真耶という少女に出会う。人形のように美しく清らかな彼女を、やまとはまるで人間ではないみたいだと感じた。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!死んだように生きてはならない そんな思いになった物語でした。
小学生の頃から、純粋な愛と同時に死を受け入れなければならない状況で成長して大人になっていく主人公達。ある側面では、極端に偏った方向へ考えが至っているのではと考えてしまった。死後に約束した愛が成就されると言う事を信じ、他人との関わりを閉ざしてしまう生き方を選んだ物語の人物は、社会に対して迷惑をかけている訳ではないのですが、以前に見たアニメの中で孔子様いわく、『未だ生を知らず、焉くんぞ死を知らん』。まだ生についてよくわかっていないのに、どうして死のことがわかるのかと言っていた事を思い出しました。死の先に希望的観測を抱いた為に起きた事柄でした。これが実在と仮定して見ると悲劇だと思う一方で、当人にす…続きを読む