概要
目覚めるまでの期限はあと12年。一度は滅亡の危機に瀕したレジスタ共和国は対抗策を練っていたが、武器は「魔法研究所」が開発を続ける魔法弾のみ。現状では木々を揺らすだけの弱い光の塊に比べ、敵の大きさは直径100メートル。巨大さから「第3の天体」とも喩えられる。
皆が生き延びるためには討たねばならない。アキムは無理難題を解決する為、とある知識に目をつける。はるか遠い世界に存在すると文献に記載された「ソフトウェア」という名の情報技術だ。ソフトウェアを開発するC/C++言語プログラミングの概念を元に戦力を増強するアキム……その
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- ★★★ Excellent!!!他の作品との差別化
小説を書いていると自分の作品の個性はどこにあるのか? 僕の文章の個性はどこから来るのか? と考えたりします。
うーむ、明確な個性! これが欲しいですよね? 誰にもない、唯一無二。
だけど、個性を主張しすぎて、読みづらかったり、伝わらなかったり、そもそも読まれないでは意味がない。
本当に悩ましいです。
くら智一さんの『WIZARDWARE魔法戦記「ソフトウェア魔法VS.影の王」』は自分が知っている技術を物語に落とし込んで、個性を獲得している。
これ、すごいですよ。
他の作品との差別化に悩んでいる方は一読の価値あり。
個性獲得の一つの形だと思います(●´ω`●) - ★★★ Excellent!!!丹念に作り込まれた知的なビルドゥングスロマン。
非常に熱量が高く、高品質な作品です。
同時に、とてもクールな側面を持つ作品でもあります。
簡単にストーリーを解説するなら――
魔法の発達した国『レジスタ共和国』は、破滅的な厄災を振り撒く人類の天敵『影の王』の出現を受け、未曾有の危機に瀕していた。
この厄災『影の王』討伐の為、人類に残された時間は十二年。
『レジスタ共和国』の魔法研究士達と主人公のアキムは、その十二年の期間内に無敵としか思えぬ『影の王』攻略を成し遂げねばならなかった。
――と、いう物語です。
この物語の肝となる部分は、やはり主人公・アキムの成長にあるのではと感じます。
物語序盤、好奇心旺盛で知識を得る事に貪欲なアキムは、し…続きを読む - ★★★ Excellent!!!緻密に構成された世界で繰り広げられる、プログラミングファンタジー
作品に応援いただいたご縁でこの物語に出会いました。読み終えましたので、レビューさせていただきます。
情報技術と魔法を融合させた、見事な戦記ミステリー。作者様の深い知識に基づいた世界観と設定が見事に反映されている、素晴らしい作品でした。私自身が情報技術に少し触れている部分もあったためか、世界観や設定、そして魔法への応用する様子などを興味深く、そして楽しんで読むことができました。
惜しむらくは、情報技術に触れていない方だと少しイメージし辛いかもしれないところでしょうか。途中途中で補足説明もありますので、是非内容を理解して、作者様の世界に踏み込んでいただきたいです。
そして、その中でも起きる人…続きを読む - ★★★ Excellent!!!アキムの人生を追うような成長譚と、独特の世界観が魅力の一作!!
いやはや、圧巻というか。
本当にしっかりと作られた世界というのは本当に見事だと思いますね!
その異世界では、影の王の配下の影の子が四年に一度現れ国の者を襲う。
そんな彼らに対抗すべく、生み出されし魔法弾。
その運用や技術に対し、世間的には役に立たないと言われる文献知識を駆使し、主人公アキムがその力を影の王に対抗できる力に変え、その戦いに身を投じる。
世界が凄いので自分のざっくりしたあらすじでは凄さが伝わりにくいのが残念。・゜・(ノД`)・゜・。
見所は、ひとつは「ソフトウェア魔法」という技術と、その具現化。
作者さんがプログラムを知っているだけあり、その知識を活かした魔法への介入と強化…続きを読む - ★★★ Excellent!!!最適化された魔法で世界の敵に挑む
魔法を強化するにはどうすればいいのでしょうか。その魔法の成り立ちや魔力の源泉、エネルギー効率、発動方法、集約、複合‥‥。もしこれらの処理を効率的かつ最適化すれば魔法が強化されるかもしれません。私達がイメージできるのは、それは最適化されたプログラム(手順・方法)であり、コンピューターのソフトウェアが最も身近で分かりやすいものだと思います。無駄のない、美しいソースコードにより、素晴らしいソフトウェアが誕生するように、魔法も同じく改良ができるのです。
魔法戦記「ソフトウェア魔法VS.影の王」は巨大な影の王やその末端たる影の子に対し、この世界の人々が魔法の威力向上を図りながら対決をしていく物語で…続きを読む - ★★★ Excellent!!!人類は『必ず来る終わり』までに『答え』を探せるのか?
敵は正体不明の化け物。攻略手段が全く分からない状態からのスタート。
タイムリミットは『影の王』との決戦の日。その日までに、人類の滅亡が決まってしまう。
主人公は研究肌で、『影の王』を倒すために必死で解決法を探す。
しかし、本当の敵は『影の王』だけではなかった。
主人公が『役に立たない』文献から見つけた『答え』は、人類の宿敵を打ち倒す仲間である魔法研究所のみんなから、異端とみなされ反感を買う。そこには、絶望に抗う人類としての立場と、感情のある一人の人間としての葛藤に揺れ動く、人間たちのドラマが描かれている。
数多くの制限がある世界で、現実にあるプログラミング言語をソフトウェア魔法として作…続きを読む - ★★★ Excellent!!!全ては運命の10月10日―いざ決戦へ❗
レビュー失礼致します_(._.)_
プログラミング技術を背景に、異世界で繰り広げられる魔法戦記🔥❄🗻🍃
始まりはまだ文明に遅れた世界設定ですが、異色の発想の持ち主――アキム・ミヤザワを主人公とし、多種多様な登場人物たちと魔法研究を進めることで、やがて運命の決戦へと準備を進めていきます🌟
全ては10月10日……影の王を倒すために💥👿
決戦のみならず戦闘シーンが様々と描かれ、そこで得た知識や経験をもとに成長していく冒険要素も感じ取れました。
拝読させていただいた感想としては、まず申したいのは作者様のグランドスラム級の語彙力です!
シーンを可視化するために綴られたワードたちの濃さ、また一捻り…続きを読む - ★★★ Excellent!!!困難は克服できる!かならず
純粋なファンタジーと言い切れない、異色のファンタジーです。じゃあ、純粋なファンタジーとは?と問われるても答えられないのですが。魔法が話の中心なのだからこれはファンタジーだと、断言してもいいよね(汗
「役に立たない」とされている本からの知識で問題を解決していく主人公。それだけで、問題がすべて解決できるかいうとそんなに単純じゃない。ライバルや友人たちもそれぞれの役割がある。プロジェクトがうまくいかなくなるくだりも、リアルで納得です。
話がなかなかに練りこまれていて、次々と読み進めたくなります。
主人公がプログラム(ソフトウェア)の考えを魔法に応用して、効率と威力を飛躍的に高めるくだりがありま…続きを読む