最適化された魔法で世界の敵に挑む

 魔法を強化するにはどうすればいいのでしょうか。その魔法の成り立ちや魔力の源泉、エネルギー効率、発動方法、集約、複合‥‥。もしこれらの処理を効率的かつ最適化すれば魔法が強化されるかもしれません。私達がイメージできるのは、それは最適化されたプログラム(手順・方法)であり、コンピューターのソフトウェアが最も身近で分かりやすいものだと思います。無駄のない、美しいソースコードにより、素晴らしいソフトウェアが誕生するように、魔法も同じく改良ができるのです。
 魔法戦記「ソフトウェア魔法VS.影の王」は巨大な影の王やその末端たる影の子に対し、この世界の人々が魔法の威力向上を図りながら対決をしていく物語です。ソフトウェアの文字が入っているからといって難解な理論・設定ものというわけではなく、ほとんどの内容は王道のファンタジーであり、敷居は低く、それでいて多方面から楽しめる作品となっています。MSXで線を引いたり、図形を描いたりしたことしかない、プログラムが苦手な私でも十分に楽しめました。

 また、この小説は二度読み返すことをお勧めします。小説本編のクライマックスで読者は大きな驚愕と納得をするでしょう。そしても世界そのものを深く理解しながら再度違う視点で読み解くことができるのです。

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