ストーカー女のストーカー(1)◯ストーカー◯

◯ストーカー◯


 こんな体験をしたことがあるだろうか?


 外出時、誰かに見られていたり後ろからつけられているような気がしたり。

 文房具やハンカチなど身近な物が失くなることが多くなったような気がしたり。

 誰から送られてきたか分からない変な手紙やプレゼントが送られてきたり。

 

 何かの間違いや勘違いならいいのだが、そんな呑気な気分ではいられない。

 これらの一端でも見覚えがあるようなら、疑った方が良い。

 自分がストーカー被害に遭っているということを。

 これらの体験のほとんどは、ストーカー被害に遭った人たちの体験談で語られる。

 特に見られていたり後ろからつけられていたりするという付き纏い被害が多いようだ。

 それが、ストーカーの典型だから。


 なぜ奴等はそんなことをする?

 理由を聞いてみれば、理解できるかもしれない。


「せっかく彼女の為にしたというのに、彼女がそれを拒否したから」


 自分の思うようにならないと許せない、身勝手野郎。


「僕には彼女しかいないから、彼女にも僕しかいない筈だ。僕は彼女とまだ一緒にいたいんだ」


 恋人と別れたことを受け入れられないで、しつこく復縁を求めてくるネチこい野郎。


「自分は彼女のことを愛してる」

「自分は彼女にとってなくてはならない存在だ」

「そんな自分を彼女はきっと愛してくれている」


 などと自分勝手に吠える勘違い野郎。


 やはり理解できない。

 どうしてそんな思考に行き着くのか意味不明である。

 そもそも、理解しようと考えるのが間違いなのだ。


 だってこいつらも、なのだから。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る