概要
天涯孤独の身となり、故郷の村から、首都ローマへと出てきた医者の娘・レティシアは、暴漢に襲われたところを元老院議員階級の青年・ヒルベウスに助けられる。
しかし、ヒルベウスがレティシアに放った言葉は、「売女」という蔑みの言葉だった。
最悪な出会いをした二人。
だが、その日の内に、突然ヒルベウスはレティシアに求婚してきて――!?
古代ローマ時代を舞台に、すれ違う二人の身分差恋愛もの、ここに開幕!!
~作者の独断による五段階評価~
読みやすさ ★★★★☆
いちゃらぶ度 ★★★★★
レティシアのけなげさ ★★★★★
ヒルベウスの天然タラシ度 ★★★★★
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!こ……これが蜂蜜系男子と無自覚魔性の女医か……
古代ローマにおいて甘味は蜂蜜であったそうです。どこかで読んだ本では、パンに蜂蜜ぶっ掛けて食べるのがローマ人のお気に入りだったとか。
……ねっとりしていて甘い。そんな蜂蜜のような要素を、このヒーローであるヒルベウスは持っています。
古代ローマのある時代。
ある事情でローマにやってきたレティシア。彼女は同行者に襲われてしまう。
ある裏切りに衝撃で傷ついた元老院議員の息子・ヒルベウス。彼は襲われかけたレティシアを助ける。
だというのに……。
ヒルベウスはトラウマが発動し、何も関係ないレティシアに暴言を吐いてしまう……
最初からすれ違っているこの二人が、どんどんと惹かれ合うさまが魅惑的に描かれて…続きを読む - ★★★ Excellent!!!第十一章からは、一気読み必至! 『古代ローマ』が舞台の恋愛物語
恋愛モノの舞台って、いくつか分類されるじゃないですか。
現代、西洋、中華、和風。あと、転生しちゃうものもありますね。
さて。
こちらの作品は、いうならば『古代ローマもの』です。
両親と死別したレティシアは、母方の縁を辿って首都ローマにやって参ります。
そこで暴漢に襲われたところを救ってくれたのが、ヒルベウス。彼は、ローマの元老院議員階級の青年です。
ヒルベウスのかっこよさと、さらっと吐いちゃう甘々な言葉に、レティシアならずとも、心を射貫かれることでしょう。
また、主人公であるレティシアも良い。
彼女はただの美しい少女ではなく、「医療知識」を持った自立した子です。
芯も強い。
この二…続きを読む - ★★★ Excellent!!!古代ローマで綴られる恋愛譚の一幕、ぜひともその目でご覧あれ!
最悪の出会いから始まった二人ですが、互いに知れば知るほど惹かれ合う、とてももどかしくも甘い恋愛話です!
お互い惹かれているのに、特にレティシアの方はそれをなかなか認められず(気付かず)にもだもだするあたりが、とても焦れったくも愛しいです。
お互いに信念を持ちながら行動するカッコ良い二人ではありますが、それぞれ大きな傷を抱えています。
それが噴出した時の絶望はとても苦しいですが、それでも彼らは彼ららしさを忘れず、それを乗り越え、互いを求め合った時の感動といったらありません。
そして、ヒルベウスからの二度目のプロポーズ!
もう一度、求婚させてもらえないか。
この台詞に落ちない女性はいません…続きを読む - ★★★ Excellent!!!古代ローマの恋愛を一読あれ
暴漢に襲われそうになった女性医師レティシアはヒルベウスに助けられる。
ヒルベウスがローマまで送ってくれる間、レティシアは彼と縁戚であると知るのだが……。
七つの丘のローマを想像するだけでも、とてもワクワクしました。
レティシアとヒルベウスの心情描写も丁寧で分かりやすいですし、古代ローマの身分制度やメダル、インスラのことなども説明されていて、ローマの雰囲気が出ていました。
二人の出会いは最悪でしたが、だからこそ、関係が解れてどんどん良い間柄になっていくのが嬉しいと感じました。
レティシアも精錬で賢い女性、ヒルベウスもカッコイイですし……応援したい二人で、どきどきワクワクの恋愛ファンタジー…続きを読む - ★★★ Excellent!!!舞台は古代ローマ! きっと応援したくなる身分差恋愛物語
レティシアは古代では希少な女性医師。病人や怪我人がいると知るや、プロとしての「医者」の顔になる。持ち前の気丈さと、時には医学の技を駆使して困難に立ち向かう姿は読んでいて何度も応援したくなりました。
彼女の前に現れる元老院階級の青年ヒルベウスは、レティシアを売女と決めつけて酷い言葉を投げつける。出会いはまさに「最悪」。それなのにヒルベウスが彼女に求婚してしまう展開は自然で説得力があります。
真面目でスクエアな堅物だけど、恋愛となると一途に突っ走るヒルベウス。ある出来事のせいで自分を無価値だと考えているレティシア。強引なリードに戸惑い、身分差と暗い過去のせいで最初は頑なに拒否しつつも、彼女が…続きを読む - ★★★ Excellent!!!アスクレピオスの守護をうけた娘、医道と恋の道を行く。
医師だったギリシャ人の父と、ローマ人の母の間に生をうけたレティシアは、立て続けに両親を喪い、母親の親族を頼って故郷の村を後にした。医師としての教育を父から受けて育った彼女は、気丈な女性だが、美しい娘には危険がいっぱい……。ローマ人元老議員の別荘の庭先で襲われかかった彼女は、通りかかったその家の嫡男ヒルベウスに助けられる。ところが、初対面でヒルベウスが彼女に放ったのは、とんでもない暴言だった……
つい主人公二人の動静に目を奪われてしまいますが……古代ローマの社会、身分制度や風俗、医学はもちろん、衣食住や軍事、周辺諸族との関係まで、詳細に描かれていて、安心感がありました。その上で描かれる、レテ…続きを読む