雇われ医師と傲慢な求婚者 ~古代ローマ身分差恋愛事情~

作者 綾束 乙

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★★★ Excellent!!!

 古代ローマ時代を舞台とした、ラブロマンスです。
 この物語の魅力はたくさんありますが、なんと言ってもヒロイン、レティシアの誇り高く、かつ健気なところが個人的にツボでした。
 彼女は自分を呪われた身だと思っているので、自分に自信がなく、一歩引いた態度です。平民という身分も、彼女を(悪く言えば)卑屈にさせてしまっていると思います。彼女は自分を抑える続ける、健気な女性なのです。
 それが、「人のために」「医師として見逃すことができない」となったとき、彼女は強くなります。誇り高く、まっすぐに行動します。それは絶対に危険だとハラハラするのに、彼女の言動が爽快にすら感じられるのです。

 そして、ヒーロー、ヒルベウス。
 タイトルには「『傲慢な』求婚者」とありますが、それはレティシアが初めに抱いた印象というだけで、ヒルベウスは決して傲慢な人間ではありません。それどころか……。
 あまり書いてしまうとネタバレになってしまうので、この続きは直接お読みになって、是非、ヒルベウスの格好良さを堪能してください!

★★★ Excellent!!!

心に傷を負った女医のレティシアは両親の訃報を知らせるためにローマにやって来る。
そのとき、不逞の輩に襲われて……助けてくれたのはヒルベウス。
意外な関係を知らされたレティシアはヒルベウスの庇護下に置かれる。

気が付くと惹かれ合う二人。
しかし身分の差はどうにもならず、真に受けてはいけないと言い聞かせるレティシアと、どうにも気持ちが伝わり切らずにヤキモキするヒルベウス。

そこに現れる因縁のある異母弟。
兄妹同士の確執。誤解にすれ違い。そこに来てレティシアが攫われる羽目に。

時に、お願いだからジッとしてて! そんなことしたらヒルベウスが誤解するから! 心配するから! とハラハラする一方で、その強い信念に従って行動するレティシアに惹かれて行きます。

甘々だけではありません。ハラハラもありながら強い一念に貫かれた物語。是非ご一読を!

★★★ Excellent!!!

女だてらに医者としての道を突き進む平民のレイティシアと、実直すぎて面白みに欠ける元老院議員の子息ヒルベウス。
二人の恋の行方を軸に、古代ローマの生活やゲルマン人の反乱軍との戦い、そして家族の確執という様々なテーマが散りばめられた読み応えたっぷりの壮大な物語です。

婚約者の浮気現場を目撃してしまったヒルベウス、尊敬する父の事故死がきっかけで住み慣れた土地を離れてローマへ向かったレイティシア、それぞれに心に抱える苦悩があり、それによって二人の距離が近づいたり離れたりと巧みに読者を翻弄します。
二人の恋の行方には、ヒルベウスの家督争いやローマに反旗を翻すゲルマン人達の謀略なども絡んできて、そちらの展開もハラハラドキドキ。

様々な要素が伏線となって後の展開に重要なキーになっていくのもお見事です。

けが人を見ればそれが誰であろうとどこであろうとも放っておけないレイティシアが様々な事件の起きるきっかけとなり、そんな彼女に翻弄されながらも燃え立つような情熱を彼女に抱くヒルベウスが力強く彼女を守る、そんな王道の展開に乙女心が何度となく高まりました(笑)

番外編まで読んでもまだまだ先が気になって仕方ありません!
ぜひ二人のさらなる未来を見せていただけたらと思います(*^_^*)

★★★ Excellent!!!

気高き王子ヒルベウスと父の意志を受け継ぐレティシア。

古代ローマを舞台に繰り広げられるラブロマンスの装いです。

ヒルベウスは気高く、プライドの高さも相まって傲慢ではある。

けれど、裏切りや罪の意識に怯えた弱さも見せる、魅力的な人物だ。

レティシアは、医者として、人としての正しさを貫き続けている。

愚かであるほどに真っ直ぐだが、根底にある思いは恣意的に歪められて、強迫的ですらある。

古代ローマの描写はとても微細な欠片まで描写されているようで、見たこともない景色を体感させる。一種の追体験に酔いしれる。

幾許かの戦禍を乗り越えてきた、永年にわたる絵画のような。

優美で複雑なロマンスに、心が呻くことを止められない。

美しいものは、美しい。

★★★ Excellent!!!

古代ローマの小説はあまり見かけないので、古代ローマが舞台!ということに惹かれ読み出しました。

読んでみると、恋愛小説としてもとても面白くて、二人の恋の行方にじれじれと焦らされながらも一気に読めてしまいます。
古代ローマの身分の差というのは詳しくないのですが、恐らくかなり大きなものですよね。
二人の恋は簡単ではなさそうで、完結した後もどうなるのだろうと想像をかき立てられます。

古代ローマをよく知らなくても、わかりやすく書かれていて、とても読みやすいですよ!