呪いを打ち破るのは愛だ!

 ヒロイン、レティシアには呪いがかかっている。
 ……と言っても、呪術などでいう呪いではない。

 ネタばれになってしまうから、ここでは詳しく書けないけれど、ヒロイン自身が自分にかけた呪い。

 その呪いを破って、レティシアを解放してくれるのが、ヒルベリウスの愛。

 もうなんてロマンチックなんだ!

 正直言って、イケメンが良い思いをするのは憎たらしい。
 だけど、美しく健気で、傷ついた人を放っておけないレティシアを救えるのはヒルベリウスしかいない。

 嫉妬に身もだえしながら、応援するしかないじゃないか。
 レティシアがあまりに可愛いから、私は途中からレティシアの父親や兄のような気分で読み、二人の仲が深まるのを邪魔したかったですよ。


 十六万字を越える作品でありながら、読後、そんなにあったかな?と思わせてくれる展開の妙味。
 古代ローマの風俗をくどくない程度に、そして世界観をしっかり味あわせてくれる描写。
 同じく文章書いている私は、作者さんの力量を羨ましく感じた。


 私と同様に、嫉妬の炎に包まれる悪い大人か、それともヒロインの愛を応援する善人か?

 一気に読んで、是非、ご自分の属性を確かめていただきたい。
 
 もし、私と同じタイプなら、一緒にコンチクショー!と悔しがりましょう!
 

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