舞台は古代ローマ! きっと応援したくなる身分差恋愛物語

レティシアは古代では希少な女性医師。病人や怪我人がいると知るや、プロとしての「医者」の顔になる。持ち前の気丈さと、時には医学の技を駆使して困難に立ち向かう姿は読んでいて何度も応援したくなりました。

彼女の前に現れる元老院階級の青年ヒルベウスは、レティシアを売女と決めつけて酷い言葉を投げつける。出会いはまさに「最悪」。それなのにヒルベウスが彼女に求婚してしまう展開は自然で説得力があります。

真面目でスクエアな堅物だけど、恋愛となると一途に突っ走るヒルベウス。ある出来事のせいで自分を無価値だと考えているレティシア。強引なリードに戸惑い、身分差と暗い過去のせいで最初は頑なに拒否しつつも、彼女が少しずつヒルベウスに惹かれていく過程は女性なら共感するのではないでしょうか。

2人の関係はヒルベウスの視点からも描かれ、恋に落ちた男の激情と葛藤が丁寧に語られています。

古代ローマの生活や風俗はもちろん、諸部族との関係など政治的な側面もとても分かりやすく書かれていると思いました。伏線を駆使しつつスピーディーな展開でラストまで駆け抜ける筆力は見事の一言に尽きます。

古代ローマ好きはもちろん、恋愛小説好きならハマること間違いなし!

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