本当に寂しくなかった!?



【これまでのあらすじ】

 息子氏と母は初めて離れ離れで一晩を過ごした。

 翌日、母氏は彼を追って新幹線で北に向かったのだが……




「昨日、あむごろーどうだった?」


「いやフツーだったよ。夜もちゃんと寝たし」


「……夜中、ママが恋しくなってたよね!?」


「うーん……一回起きたけど、お茶が飲みたかっただけで……」


「!?」




 新幹線を降りると、旦那氏が迎えに来てくれていた。

 彼の運転する車の中で交わした会話が、母氏の胸を深くえぐる。


【悲報】

 あむごろー、お母さんがいなくても全然大丈夫



 ん、いや、吉報か?

 彼の成長を喜んだ方がいいのか!?


 でも、なんか、さびしーーー!!


 そうか、別に母親なんていないならいないで大丈夫なんだね……


 ふふふふふ



 打ちひしがれていると、車が旦那氏の実家に到着。


 とりあえずあむごろ君の元気なお顔を拝見するか〜


 義理の両親に挨拶をしつつ、息子氏に声をかける。


「あむごろー」


 リビングのソファーに座っていた2歳児、私の顔を見るなり、立ち上がって駆け寄って来た。


 その時の顔がーー


 お口を漫画のようにへの字に曲げて、まん丸お目々をうるうるさせて。


 ガシッと私に飛びついて、ひとしきりハグした後に、ちょっと離れて恨めしそうに母氏を睨んで。


 どきゅーーーーーん


 やっぱり寂しかったのかな?


 彼なりに気を遣って昨晩は過ごしたのかもしれない。



 可愛い息子氏を抱っこしながら、こっそりホッとした母氏でありました。




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