【0歳】初めての授乳の話

 生まれたての息子氏のお話。


 テーマは授乳。


 OPPAIネタに抵抗ある方は回れ右で退散してね!



 ☆ ☆ ☆


 

 アホなトラブルがあったものの無事出産を終えたその翌日、母子同室が始まった。


 赤子と母の初めての共同生活。


 正直、抱っこの仕方も分からない。看護師さんに指導してもらって、なんとか息子氏を抱っこする。


 母性本能で自然と抱っこできる――とかないんだよね、残念ながら。


 腕の中には、可愛くないけど(客観)、可愛い我が子(主観)――


「では、OPPAIをあげてみましょう」


「は、はい」


 看護師さんの指導のもと、初めての授乳。生まれたての息子氏のお口を、いざ、我がOPPAIへ……


「ん……?」


 うんぎゃーーーーーーーーーーーーーー!


「え……?」


 おんぎゃーーーーーーーーーーーーーー!


 病室に響く生まれたての息子氏の絶叫。


 の、飲まないよ? ていうかめっちゃ嫌がってるんですけど!?


「まだ母乳が出てないんですよ。赤ちゃんが吸うと出る様になりますよ」


 え、でも、そもそも口もつけてくれないよ!?



 新生児の頃の息子氏はOPPAIを飲んでくれない赤子だった。


 それから数日間、看護師さんが我がOPPAIにマッサージを施し、私も授乳時の抱く姿勢を工夫し、あれやこれやと頑張るんだけど、なかなか飲まない。


 で、哺乳瓶だと、飲む。


「うぅ、なんで母氏のOPPAIを飲んでくれないの……」


 結構悲しい。


「俺のOPPAIが飲めないのかーーーーー!?」


 内心荒ぶる。



 出産前の私が抱いていた授乳のイメージは「平和」そのものだった。


 穏やかな笑顔で我が子を見つめる母と、なんの憂いもなく幸せそうにOPPAIを飲む赤ちゃん。


 ところが、実際の私の場合――


「ぎゃーーーーーーーーーーー!」


 授乳タイムになると、泣き叫んで暴れる息子氏。なぜか手を突っ張ってOPPAIから逃れようとする。


 その新生児の手足を母氏が取り押さえ、看護師さんは彼の頭をつかんで、母氏のOPPAIに押し付ける。


 息子氏、拒む。看護師さん、再び押し付ける。おおっと、息子氏の口がやっとOPPAIを捉えた! やったーーーー飲み始めたーーーー! 母氏・看護師さんチームの勝利ーー!



 授乳。それは二人がかりで新生児を抑え込む――壮絶な戦闘バトル



 ちなみにこんな状況が1か月くらい続きました……


 授乳って、こんなに難しかったのね……


 母親業1年生の母氏、育児の初歩だと思っていた授乳ミッションに躓いて、困惑を隠せないのでありました。







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